チップの目安は20%広がるチップ疲れ

日本人の多くが海外旅行で頭を悩ませるのが、チップの問題です。相場がわからない。チップを渡し忘れて、気まずい思いをした……そんな経験がある方も少なくないでしょう。

実は今、米国で暮らしている人々の間にも「チップ疲れ」が蔓延しています。米国では、レストランはもちろん、カフェでのテイクアウト、ドライクリーニングの受け取り、タクシーやUberを利用したときなど、生活のあらゆる場面でチップが求められます。

カジュアルなカフェでコーヒーをテイクアウトしただけなのにチップ欄が表示されると、「ここは払うべき?」と戸惑うのもそのひとつ。また、若年層ほどチップを支払う割合が低い傾向があり、「こうすればよい」という正解がないこともチップ疲れを引き起こしています。

一般的にチップの目安は、レストランでは料金の15%から20%前後。領収書の下段には「Suggested Gratuity」(GratuityはTipと同義)として「15%、20%、25%」といった具合に、チップの目安が提示されていることがよくあります。客はこの3つの選択肢にあるチップを支払うというわけです。実はこのSuggested Gratuity、最近はインフレの影響で「20%、24%、30%」といった具合に値上がりしているのです。

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洋の東西を問わず、「松竹梅」と3つのランクから一つの選択肢を選ぶとき、つい真ん中を選んでしまうのは、よく見られる心理現象だと思います。チップの場合も同様です。「20%、24%、30%」と提示されると、本来は20%で十分なはずなのに真ん中の「24%」を選んでしまい、後になって「なんかちょっと多く支払ってしまったかも」とモヤモヤする……ということがよくあるのです。