国民はもはや、空疎な言葉や小手先の政策には騙されない

木原氏は国民にアメを配る政策の立案に長けている。しかし、それは国民を賢明なパートナーとしてではなく、容易に操作できる愚かな大衆と見なしているからこそ可能な芸当である。

国民は、目先の現金給付よりも、持続可能な社会保障や安定した経済成長を望んでいる。この根本的な願いを理解せず、騙し討ちのようなトリックを弄する政治家は、国民からの信頼を永遠に失う。

この状況は単なる権力闘争の敗北ではない。「政策の浅さと失敗の本質」が、国民に見透かされたからである。

石破氏が弄した歴史からの引用は、深い洞察を欠いた浅はかな屁理屈に過ぎなかった。平氏が見せた言論統制への欲望は、民主主義の根幹を揺るがす自由への敵意そのものであった。そして木原誠二氏が主導した付け焼き刃のバラマキで日本経済はどん底寸前に追いやることになる。

彼らの退場は、日本の政治がようやく、この致命的な病から回復するための一歩を踏み出したことを意味しているのかもしれない。この苦い教訓を、我々は決して忘れてはならない。

国民はもはや、空疎な言葉や小手先の政策には騙されない。その冷徹な視線は、次なる指導者が、確固たる哲学と誠実さを持っているか否かを、静かに、そして厳しく見定めている。

文/小倉健一