「0と1議席はめちゃめちゃめちゃ大きな違い」

――チームみらいは10月に政治家や政党のカネの流れを見える化する「みらいまる見え政治資金」(詳細は#3) というツールに続いて「みらい議会」というツールも発表しましたが、こちらはどういったものなのでしょうか。

安野貴博(以下、同) 国会で今どんな法案が検討されているかをわかりやすく伝えるプラットフォームです。

法案ごとに①審議前か途中なのか、②改正案のポイント、③法改正が必要な理由、④賛否それぞれの意見、⑤改正で影響を受ける可能性のある人・団体、⑥チームみらいのスタンス――を紹介します。

法案の専門用語を平易な表現にし、AIチャットで法案の理解を助け、漢字にすべてルビを振る機能もつけ、わかりやすくしました。

「みらい議会」
「みらい議会」
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――目指すものは何ですか。

法案に関する情報は、実は国会や有識者会議が公開しています。でもぱっと読んだ限りは、何が論点なのかすぐ分からないんですね。

また、法律が成立したら報道されますが、法案提出から成立までの間を埋める情報があまりにもない。この期間に(国会の外でも)いろいろ議論された方が(そこで出た意見を)修正案に組み込めて一番いいんですね。だから、第1段階でいま何が話し合われているのかを見えるようにしました。

さらに第2段階で、議論されている法案に(ユーザーが)意見を言えるようにし、その意見を基に委員会で質問したり採決の際の賛否の参考にしたりする考えです。

今年の7月に参議院選挙で初当選した安野氏(撮影/村上庄吾)
今年の7月に参議院選挙で初当選した安野氏(撮影/村上庄吾)

――法案を党の立場で説明すれば 党の評価を反映した バイアスがかかる可能性もありそうですが。

われわれなりの軸で決めるので恣意性は入ってきます。恣意性がないとはまったく主張しません。

ただ報道機関や行政が 法案の評価に恣意性を入れれば 批判を受けますが、政党は恣意性があってもいい。完全に中立であることを求められていないがゆえにこういったプラットフォームをやりやすい。

むしろ政党っていうのはそういうことをやっていくべきだと思っています。それをご覧になった有権者の反応も支持率になって返ってくると思います。

――1議席でも国会に入ったことで、政策の実現に向けて前進した実感はありますか?

それはもう。だって「みらいまる見え政治資金」も「みらい議会」も0議席だったらリリースすらできなかったでしょうし、リリースされたことで1議席でもここまでできると示せたわけです。

政治資金規正法の議論においても、結構大きなマイルストーンになったと思います。0と1議席はめちゃめちゃめちゃ大きな違いだと思います。