なかには高市氏の直筆コメント入りの名刺も……

フリマアプリやオークションサイトで、著名人の名刺が販売されているのはご存じだろうか。例えば、とあるサイトで「高市早苗 名刺」と検索すれば、衆議院議員や経済安全保障担当大臣時代の名刺が1万円以上の値段で販売されており、実際に購入もされている。

高市首相の名刺の中には、「自由民主党総裁選挙に立候補をさせていただいたところです。御指導の程、宜しくお願い申し上げます!」と直筆と思われる文章が記載されているものもある。真贋は定かでないものの、もし本物だった場合、今年か昨年のものが販売されているということだ。

高市早苗氏の名刺の中には直筆で書かれたと思われる文章が
高市早苗氏の名刺の中には直筆で書かれたと思われる文章が
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ほかにも、麻生太郎氏、菅義偉氏、小泉進次郎氏など、自民党の政治家の名刺も1万円以上の値段で販売・購入されており、さらに小渕恵三氏や橋本龍太郎氏など、故人の歴代総理大臣の名刺には1万5000円の値がついている。

政治家だけではない。上場企業の代表取締役、有名芸能プロダクション、そして有名企業の幹部クラスの名刺も販売されているのだ。

政治家や代表取締役の名刺には、電話番号やメールアドレスといった「個人情報」は載っていない。実際、筆者が以前、政治家の取材でもらった名刺にも、その人物の事務所と党の住所、電話番号しか載っていなかった。インターネットで検索すれば、すぐにわかる情報だ。

その一方で、上場企業の社員の名刺にはそれらの個人情報も載っているようで、販売ページの写真ではその部分に別の紙が重ねられ、見られないようにしてある。

名刺はあくまで、自らの名前と所属・連絡先などを、伝えても良いと思った相手に伝えるものである。もらった側が社内でその情報を交換し合うことはあるかもしれないが、フリマアプリやオークションサイトで販売され、知らない誰かに購入されるのは、気味が悪い。