「仲が悪いときは長かったですよ」
2003年に結婚。それを期に、川田は拠点を大阪に移している。
「子育てをどこでするかを話し合いました。僕は『沖縄でしたい』って言いましたが、嫁は大阪出身で、義父母も大阪にいるから『大阪でしたい』と。なので嫁の意見を優先しました(笑)。
当時、大阪にレギュラー番組があり、毎週行っていたので。そこまで東京にこだわる気持ちはなかったかもしれないですね。そして東京にもレギュラー番組があったので、大阪に引っ越してからは逆に東京に毎週通うようになりました。相方とは東京でも大阪でも顔を合わせるので、ネタ合わせもできましたし。支障はなかったんですよね」
川田は昨年から故郷・沖縄に居を移している。ゴリとの物理的な距離はさらに広がった形だが、最近会ったのはいつなのか?
「4日くらい前ですかね。仕事で結構、頻繁に会ってますよ。今年は結成30周年なので、単独ライブをやろうってふたりで話していて。単独ライブとはいえ、ザ・パンチ、ニューカリカ、ハイキングウォーキング……渋谷公園通り劇場でずっと一緒にやっていた仲間や後輩にも出てもらうつもりです。同窓会感があって、すごく楽しみなんですよ」
改めて、芸人になってよかったと思うかと聞いてみると、
「よかったですね。うん…よかったですよ! もし相方に誘ってもらっていなかったら、沖縄で全然違う仕事をしてたかもしれませんね」
ガレッジセールとして活動した30年の中で、ゴリとはケンカもたくさんしたという。
「仲が悪いときは長かったですよ、今は普通ですけど(笑)。毎日、仕事で顔を合わせていた頃は多忙すぎて、お互いに余裕がなくて。『この笑い、俺はこう思う』『いやいや、こうだろ』みたいなのもありましたし。
ただ単にムカついたり、イラっとしたときもありましたよ(笑)。でも、今は月に何回か一緒にロケをするペースで、このぐらいのほうが僕は気持ちがいいですね」
仕事以外で、ゴリと飲みに行くこともあるのだろうか?
「ないです、ないです!(笑) ふたりっきりで飲むなんて恥ずかしくて、できないですよ。
例えば、それが番組であれば全然飲めるんですよ、仕事なので。“どこかで笑いを作る”という脳になるから。もしくはネタ作りだったら全然苦にならないし、逆に楽しいんですよ。
でも、プライベートで普通に飲むっていうのは……恥ずかしいし、照れるし、何を話していいかわからないかな(笑)」
結成から30年、中学での出会いからは38年。川田にとって、ゴリとはどんな存在なのだろう?
「本当に親友でもあり、戦友でもあり。うーん、なんなんですかね? もう一心同体的なところはありますよね。不思議な感覚で、関係ですよね。もし相方に何かあったら、僕も“うわーー!”ってなりますし」
では、相方・ゴリに伝えたいことは?
「もう、本当に健康第一ですよ。沖縄には“命(ぬち)どぅ宝(たから)”っていう言葉がありまして。それは命は宝ってことなんですけど、もう本当に歳を重ねるごとにそう思っています」
コンビにしかわからないちょうどいい、心地いい距離を保ちながら、ガレッジセールは40周年、50周年…と楽しみながら歩みを進める。まさにエンジョイプレイだ。
取材・文/池谷百合子 撮影/矢島泰輔












