今、プロレス界で最も熱い女 

今、プロレス界で賛否が真っ二つに分かれる事態が沸騰している。震源地は、女子プロレスラーのSareeeだ。自主興行ではチケットが即日完売する絶大な人気と支持を集めながらも、今春から主戦場となった「スターダム」では、大ブーイングが浴びせられる真逆の反応が発生している。

こうした異常事態に専門週刊誌「週刊プロレス」(ベースボール・マガジン社)が「Sareeeブーイング現象を考える」と表紙に打つなど業界内外で物議をかもす存在となった。男子も含め近年のプロレス界でこれほど、反応が分かれ、ファンはもちろん、マスコミまでもが「語れる」レスラーはいない。

「週刊プロレス」2025年9月10日号の表紙
「週刊プロレス」2025年9月10日号の表紙
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一体、Sareeeの何が真っ向からの賛否を沸騰させるのか。Sareee現象の背景を探ってみたい。

まず、Sareeeが絶大な人気と支持を得ていることを紹介したい。中学を卒業し「ワールド女子プロレスディアナ」に入門。2011年4月の里村明衣子戦でデビューし着実に進化を遂げて来た。デビュー10年を超えた2020年2月にアメリカの「WWE」との契約を発表。

新型コロナウイルスの影響で入団が遅れたが世界最大の団体で活躍し、2023年4月に2年あまりの契約を終え帰国すると、同年5月16日に新宿FACEで自主興行「Sareee-ISM」を開催した。

以降、すべての大会で夢の対決、豪華タッグを実現させチケットは即日完売の沸騰イベントとなり、11月10日の次回大会はカード発表なしでも即完になり絶大な人気を獲得している。昨年は、旗揚げしたばかりの「マリーゴールド」を主戦場にし7月13日の両国国技館でジュリアを破り、初代「ワールド王者」に就いた。

さまざまな団体で活躍し圧倒的な強さを見せつけ、東京スポーツ制定「プロレス大賞」(2024年度)で初の女子プロレス大賞を受賞し名実共にプロレス界のトップに君臨した。

そんな光に満ち溢れたSareeeに大きな変化が現れたのが今年だった。かねてから公言してきた尊敬するアントニオ猪木さんが創設した「IWGP」の女子ベルト獲得を目指すべく主戦場を「スターダム」に定め、4・27横浜アリーナで岩谷麻優を破りIWGP女子王座を奪取した朱里へ挑戦を表明した。