「我が人生の師!の巻」(ジャンプ・コミックス第49巻収録)
今回は、両さんが大原部長と一緒に巡回連絡の任に就き、仕事を終えて居酒屋に行くお話をお届けする。
真面目が取り柄の部長に、普段のいい加減な勤務態度、ギャンブルや酒にうつつを抜かす生活……がばれないよう必死で隠す両さんだったが!?
両さんが大好きなこの「酒」──エタノール(アルコールの一種)を含んだ飲み物の総称──は、人類が農耕をはじめた約一万年前に誕生したという。麦の粥に酵母が入り込んで発酵したのが酒のルーツだとの説もある。だが、蜂蜜に水を混ぜてアルコールを発生させる蜂蜜酒は、麦や果実を醸造して作る酒よりも古くから存在していたともいわれる。
いずれにしても酒は、大げさに言うと「人類とともに存在していた」のだ。
両さんと部長が作中で飲む「日本酒」は、麹(こうじ)を使って作られる酒の一種だ。麹とは、穀物にカビ類を生やして酵素を生成させたもので、糖化作用によって原料のデンプン質を糖に分解する。日本酒は米の澱粉(でんぷん)を原料とし、黄麹菌(きこうじきん)を利用する醸造酒……ということになる。
ちなみに焼酎にはさまざまな穀類や果実、黒糖などが使われるが、本格焼酎と呼ばれるものの原料は、日本の場合、穀類・芋類に限定されている。また、一般的に米・芋・黒糖焼酎には、米麹が使用されている。
「酒は百薬の長」ということわざを聞いたことがある方も多いと思うが、これは漢書に端を発していて、「適量の酒はどんな良薬よりも効果がある」と酒の効用を肯定的に謳ったものだ。
実際、アルコールには悪玉コレステロールの増加を抑え、善玉コレステロールを増やすこと、また血液が血管の中で詰まりにくくなることで、心筋梗塞や狭心症など虚血性心臓病を予防する効果が確かめられている。
とはいえ、日常的かつ過剰なアルコールの摂取は、中性脂肪を増加させて善玉コレステロールの低下&悪玉コレステロールの増加、血圧上昇や高血糖状態を招く可能性が高いのだ。
酒好きな人々はどうしても飲酒のリスクに目をつぶりがちだが、我々ふつうの人間の肉体は、両さんのように強力無比なアルコール分解機能を備えているわけではないことを、お忘れなく!
それでは次のページから、両さんと部長がともにすごす一日の様子をお楽しみください!!