「署長と部長 感傷旅行(センチメンタルジャーニー)!?の巻」(ジャンプ・コミックス第114巻収録)

今回は、若者に混じって激安のバスツアーに出かける葛飾区署長と大原部長の熟年コンビが体験する、ちょっとした冒険行(?)をお届けする。

このオッサンふたり、かたや警視正、かたや巡査部長と階級はまったく違うが、若い頃から付き合いがあり、実に気の合う名コンビだ。酒席やゴルフコンペを共にする姿は、何度も作中で描写されている。

本作では、ふたりの若き日の関わりを垣間見ることができるので、お楽しみに。

本編をご覧いただく前に、このふたりについて簡単に紹介しておこう。

まず署長の屯田五目須(とんだ・ごめす)だが、気弱な性格もあって、問題ばかり起こす部下の両さんが頭痛のタネになっている。その一方で、オヤジらしく調子に乗って羽目を外すこともあり、一度ならず懲戒処分をくだされたことも……。なお、もともとは亀森鶴吉という名だったが、改名している。

そして「部長」こと大原大次郎。ザ・昭和な価値観を持つガンコ親父で、真面目で融通が利かない。そのぶん、いったん何かに夢中になったらブレーキがきかずに大暴走することも。両さんにとっては鬼上司であると同時に、第二の父親的な存在でもある。

さて、このふたりが出かけたバスの旅で、思わぬトラブルが発生し……。

ちなみに、署長と部長コンビの旅ものエピソードには、本作以外に超大型船での(経済的)限界長期旅行を描いた「初夢の正月クルーズの巻」(ジャンプ・コミックス第167巻収録)がある。

こちらは、船内で働いて稼ぎながら旅をする異色作で、役立たずかと思われたオッサンふたりが意外な才能とバイタリティーを発揮する。こちらもおススメの一作だ。

「ギャグで世の中明るくの巻」(ジャンプ・コミックス第130巻収録)より。お笑いを特訓したふたりが、警視庁の重大な会議で盛大に滑り散らかしたことも……
「ギャグで世の中明るくの巻」(ジャンプ・コミックス第130巻収録)より。お笑いを特訓したふたりが、警視庁の重大な会議で盛大に滑り散らかしたことも……

それでは次のページから、熟年コンビが意外な活躍を見せる、ちょっといい話をお楽しみください!!