政治家の「真の器」次第ということになる
再生の道と参政党の両党を比較してみると、現状のSNSの限界とオールドメディアの力が浮き彫りとなる。
まず、SNSは特定の候補者の最初のスタートダッシュを支えることができる。そして、SNSで押し上げられた候補者は一時的にネットの風を受けて発信力を得ることができる。
しかし、その状態から本物の政治力を持てるかは、その政治家の「真の器」次第ということになる。自らがSNSで一時的に得た力を過信せず、地道な政治的な地盤を築くことに使えるか、その力の使い方で本当の意味での賢さの違いが出てくる。
特に注意しなくてはならないのは、SNSでの人気に目を付けたオールドメディアが盛り上げる「時の人を作る力」の副作用だ。オールドメディアの能力は衰えつつあるとはいえ、依然として渦中の人物やその支持者を勘違いさせるだけの魔性の力を持っている。
SNSとオールドメディアとの相乗効果
SNSで人気なように見えても、実態としてはその人気はオールドメディアとの相乗効果による面が大きいことはしっかりと認識されるべきである。
それらをSNS上の人気として勘違いすると、その政治家はそこで終わりということになる。オールドメディアの影響力は依然として大きいと判断するべきだ。
今のところ、参政党は再生の道と同じ轍を踏むことは無さそうではある。しかし、それは同党の代表である神谷氏に限ってのことである可能性が高い。
新たに誕生した国会議員にまで神谷氏が今までやってきた冷静な計算に基づく政治行動ができるかはわからない。むしろ彼らが神谷氏の態度を十分に理解することもなく模倣するようになれば、参政党のブランドイメージは回復不能なまでに著しく傷つくことになるだろう。
また、参政党にはオールドメディアによる注目(バッシング)が継続する。神谷氏がそれをうまく乗りこなすことによって、現場での地盤作りにさらに利用していくことができるのか。
最終的にはSNSにもオールドメディアにも依存しない、本当の地力を持った政党に化けることができるのか。今後の参政党の政党運営の動向に注目していきたい。
文/渡瀬裕哉