海洋散骨の需要
一方、「継承負担がない」「自然に返る」という観点では「海洋散骨」も樹木葬と同様のニーズがあるが、人気はいかほどか。
「たしかに海洋散骨も樹木葬とニーズは同じですが、残された側の心情を考えた際、手を合わせてお参りする場所がないということに抵抗感を抱く人がまだ多いです」
また地方の無縁墓増加の解決の一助となりそうな永代供養制度でも、「オプションごとに供養方法が異なるので注意が必要」だという。
「永代供養制度の中でも未来永劫個人の遺骨が管理されるのはごく一部で、購入の際、個別埋葬か合葬か、個別埋葬でも期限付きか期限なしか、で金額が分かれるため、一度購入すればその後一切お金がかからないわけではありません。
先祖代々で墓を供養する価値観が徐々に形骸化する中、ご自身やご家族はどのスタイルが合うのか。選択肢が多様化した分、しっかり比較検討してほしいですし、30~40代の若く元気なうちにご両親と話し合っておくことが、後悔のないお別れに繋がると思います」
多様化する供養スタイル。自分らしい“その時”を迎えるために、お盆が終わった今だからこそ、まずは家族の対話を第一歩に踏み出してみてはいかがだろうか。
取材・文/集英社オンライン