爽やかに司会している人のほうが恐い
──かつてははぐれ者のイメージもあった芸人が、いまや昼のワイドショーでコメンテーターを務めたり、社会的にも認められる存在になったことについては、どう感じていますか。
二郎 別に今も認められてはないでしょう。
友保 芸人なんてクソですからね。
二郎 もしそういう傾向があるのだとしたら、M-1の影響でしょうね。M-1で芸人に対する世間の見方は確実に変わったとは思う。
友保 難儀ですわ。いまや道端でおしっこもできないし、女しばいたら即終わりでしょう。芸人はめちゃくちゃしていいって聞いてたのに、それが許されないなんて、ほとんど詐欺でっせ。
二郎 そんなこと言ったら、俺が先輩方から聞いてた話なんて、全部なかったことになってるから。もはや歴史として存在しないことになってる。
小林 せめて立ちションは許してほしいですね。
二郎 そういう流れを仕方がないとは全然思ってないけど、もう俺自身が真面目になっちゃってるからな。病気になってスキャンダルも起こせないし、普段はシングルファーザーで子育てして、アメブロに作った料理の写真上げる生活だよ。
友保 いい生活じゃないですか。
二郎 昔は芸人っていうだけで、チーマーみたいなやつから喧嘩売られてたりしたのに。
友保 えー、街歩いてて?
二郎 そうだよ。それで、ウド鈴木さんがめっちゃ喧嘩強いっていう伝説が生まれた。
友保 出た。
小林 一番強いって噂は聞いてます。
友保 返り血を浴びて立ち尽くしてたとか。
二郎 高校で柔道やってた人だからね。次々と柔道技でチンピラたちを。
友保 やっば。
二郎 今の時代、そういうファンタジーすらも許されないからね。
── 一昔前は、強面の芸人も多かったように思います。
二郎 いや、実は強面に見える人たちよりも、爽やかに司会やっているような人たちのほうが、実際はこわい。
友保 ありゃ〜。
二郎 だから千鳥とか麒麟の川島とか、そういう時代を若手の頃にギリギリ経験している芸人たちは、ど真ん中で仕事しながらこなしているように見えて、いろいろ苦悩や我慢があるんだろうなって思う。
友保 狭間の世代ですね。
「令和ロマンが攻略したことでM-1は終了!」そして、東京ダイナマイトの漫才活動休止宣言の真相 #3へつづく
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取材・文/おぐらりゅうじ 撮影/名越啓介