「高野連がとった措置は“後付け”の印象」
さらに、女性ながら高校時代に男子に交じって野球部でボールを追ったという大学生のDさん(20)は「きょうの球場は広陵にブーイングをするというより旭川志峯を応援する人が結構多かったです。旭川の方がよっぽど遠くてアウェーなのに、甲子園から近い広島のチームが全然応援されないっていうのは複雑ですね」と冷静に分析した。
Dさんは、野球部を離れ転校した被害者の元部員の心中を思いやりながら、今回ここまで問題が大きくなったのは高野連と学校の対応に原因があるとして、こう指摘した。
「確かにまだ高校生なのに、一選手が“加害者”としてネットにさらされるのは可哀想だし、よくないです。でも高野連は広陵に対外試合禁止などの措置をきちんととっていないと思います。
それを乗り越えて甲子園に勝ち上がってきたなら全然応援もできると思うんですけど、高野連がとった措置は“後付け”の印象がして。いったんもみ消して、コトが大きくなったから『いや、僕たちは注意したんでもう大丈夫です』みたいな。
被害者の家族のインスタを見ましたけど、対応を引き延ばしにされたまま何事もなかったようにされて、いつの間にか大会の抽選も始まって、みたいな流れと理解しました。学校側も対応していると口で言うだけで行動が伴っておらず、結局逃げてるように見えます」
Dさんが指摘したように、広陵は地力を発揮して1回戦を突破したが、一連の問題が解決したとは到底言えない。勝ち上がることで問題の所在を置き去りにできないばかりか、さらにくすぶり続ける可能性もある。熱闘の裏で、暗闘も続く。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班