「おなかが痛い中川くんの巻」(ジャンプ・コミックス第141巻収録)
今回は、盲腸の手術を受けた中川が、「笑う」シチュエーションのただ中に放り込まれ、地獄の苦しみを味わうお話をお届けする。
中川が緊急の開腹手術を受けるはめになった原因である盲腸とは、急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)の俗称だ。大腸の入り口付近にある「虫垂」と呼ばれる、5~10cm程度の突起物が炎症を起こすことで、強い痛みを発する。
この器官は、かつては消化機能がないと考えられていたため手術によって切除されることが多かったが、近年では大腸の免疫防御の司令塔的な役割を果たしていることが明らかになり、むやみに切除されることはなくなった。症状が軽度の場合には、抗生物質で炎症を抑えるというのが、現代的な対処法となっている。
ちなみに、中川が手術を受けたという情報は、世界中でトップニュースとして扱われた。中川グループといえば、世界有数の規模を誇る複合企業体。そのなかでいくつもの会社を指揮する中川の健康状態は、財界にとっては非常に重要な情報のひとつだろう。
「風が吹いたら桶屋が儲かる」という通説の因果は今ひとつ明らかではないが、「中川が風邪を引いたら世界が大きく変動する」のは、経済界においては常識! なのだろう。
それでは次のページから、盲腸にはじまる中川の受難の日々を描いた、かわいそうだが笑えるお話をお楽しみください!!