登校はしているけれど、教室には入らない小学6年生女子の場合は?
このお子さんはほぼ毎日登校しているのですが、だいたいいつも遅刻して行って、教室には入らずに、保健室へ向かいます。そして保健室で本を読んだり、保健の先生と話したりしています。
ときには3、4時間目から授業に出て、給食を食べてから帰宅することもありますが、授業に参加せず、給食も食べないで帰ることのほうが多いです。
日本財団の調査で言えば、「学校の校門・保健室・校長室等には行くが、教室には行かない」または「基本的には教室で過ごすが、授業に参加する時間が少ない」のどちらかに当てはまる状態だと考えられます。
いずれにしても「不登校傾向」に該当します。
彼女は集団行動が苦手で、朝の1時間目から給食後の午後の授業まで、全部通して教室にいることができません。本人は「ずっと教室にいるのはつらい」と言っています。
ほぼ毎日登校はしていて、たまには授業にも出ているのですが、学校でのさまざまな活動に、十分に参加することはできていません。そのため、本人は将来への不安を感じています。
親御さんも心配して私のところに相談に来られました。
不登校の定義には該当しなくても支援は必要
このお子さんの場合、文部科学省の不登校の定義には該当しないのですが、なんらかの支援が必要な状態です。その後、診察を通じて自閉スペクトラム症(ASD)の特性があることがわかり、発達特性をふまえて支援を行っています。