10か国13都市を巡った夫婦が思う“海外移住で最もコスパがいい”場所

次に話を聞いたのは、これまで10か国13都市で“お試し移住”をしてきたという、「海外試住ナビ」 を運営しているやまさんと、YouTubeチャンネル『やなぎらいふ』 を運営するやなぎさん夫婦。

取材のちょうど数週間前にハンガリーのブダペストに移住し始めたばかりだというやなぎさんらだが、これまでの移住先について詳しく聞いてみた。

「まずこれまで移住した国と都市ですが、カンボジアのプノンペン、タイのバンコクとチェンマイ、トルコのイスタンブールとイズミル、ジョージアのクタイシとトビリシ、ベトナムのダナン、インドネシアのバリ、マレーシアのペナン島、モロッコのマラケシュ、ポーランドのワルシャワ、ハンガリーのブダペストになります。

移住先を決める際、最初はお互いの行ってみたいところを選んでいましたが、海外を転々としているうちに、SNSなどで私たちと同じように海外移住をしている方とつながる機会も多くなったので、最近ではそういった知人や、現地で知り合った方から情報を仕入れて暮らしやすそうな国に移住することもあります」

やなぎさんとやまさんご夫婦(本人Xより)
やなぎさんとやまさんご夫婦(本人Xより)

アジア圏からヨーロッパ圏まで、これまで数多くの国に移住してきたやなぎさんご夫婦。そんな2人が感じる“最もコスパがいい国”とはどこなのか。

「今のところ住みやすさで言うとタイのチェンマイがダントツ1位ですね。食費をはじめ、アクティビティ費など全体的な物価が安いですし、値段の割にクオリティも高くて感動しました。

例えば、本格的なマッサージは1回1000円ほど、ヨガやピラティスなどは日本だと4000円から5000円すると思いますが、その半額程度で体験できます。

1か月の2人合わせた生活費は約17万円で、家賃が約7万円、食費が約5万円で残りの5万円を交通費や生活用品の購入、交際費に充てていました。毎日外食したり、移動にタクシーを使ったりしても毎月1、2万円は余る感じで、特に我慢や節約をすることもなく、十分豊かな暮らしを送れました」

チェンマイの街並み(本人Xより)
チェンマイの街並み(本人Xより)

一方、物価がより高めなイメージのあるヨーロッパ圏での暮らしはどうなのだろうか。

「東南アジアなどに比べると物価はやはり高めですね。これまで移住してきたヨーロッパの国々は家賃だけで20万円を超える国がほとんどです。現在住んでいるハンガリーのブタペストも家賃は約20万円ですが、食材などは値段の割にいいものがそろっていて、全体的なコスパはいいなと感じています。

日本では高級食材として知られるフォアグラも、現地だと3000円ほどで食べられますよ。食費はタイのチェンマイと変わらず2人合わせてひと月5万円ほどで収まります。トラムや電車といった公共交通機関、そしてWi-Fiといったインフラ面も発達しているので暮らすうえでの不便も特になく、ヨーロッパ圏で移住をするならブタペストはおすすめです」

ブタペストの街並み(本人Xより)
ブタペストの街並み(本人Xより)
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――憧れの海外移住は、思いのほかハードルが高いということはなく、国によっては日本よりも豊かな暮らしを送ることができる。ある程度の資金があれば、思い切って気になる国に移住してみるのもいいのではないだろうか。

取材・文/瑠璃光丸凪(A4studio)