憧れの海外移住、“コスパのいい国”は本当にあるのか

老後は海外でゆったりと過ごしたい、世界中を旅しながら仕事をしたい……このような海外移住への憧れを抱いたことがある人も多いかもしれない。

コロナ禍を経てからは、リモートワークが普及し、場所や時間にとらわれずに働くスタイルを選択する「ノマドワーカー」と呼ばれる人たちも増えてきている。

昨今は円安の影響から、海外移住の金銭的なハードルも高くなってきていると感じるが、ネット上には、移住資金もそこまでかからず、生活費も日本より安く済むようなコスパのいい国が紹介されていることもある。

例えば、ロシアやトルコに隣接する国であるジョージアについて、Xでは以下のようなポストが。

≪あんまり働きたくないひとに教えてあげたいのですが、 ぼくが東欧のジョージアで住んでいる家は 家具付きネット光熱費込みで3万円。 2人用にひとりで住んでこの家賃です。 “その場にいなくていい仕事”で月5万円を稼ぐことが出来たら ヨーロッパに住めるし、肩の力を抜いて働くことができます≫(2025年6月23日現在、10万いいね)

家具付き、光熱費込みで家賃3万円は破格ともいえるが、本当にこのような暮らしはできるのだろうか。

2015年4月22日以降「グルジア」から国名名称を「ジョージア」へ変更(写真/Shutterstock)
2015年4月22日以降「グルジア」から国名名称を「ジョージア」へ変更(写真/Shutterstock)

メロンは1個500円ほど、キュウリは1本10円で買える!

まずは、先ほどのポスト主である、現在ジョージアと日本を行き来する2拠点生活を送るKOHさんに話を聞いてみた。KOHさんは2019年の10月にジョージアでの生活をスタートしたという。

それから約4年半、実際にジョージアに住み続けたKOHさんの現在の暮らしぶりはどのようなものなのか。

「僕が住み始めた2019年当初と現在では為替も大きく変わったので、若干物価は高くなりましたが、日本の物価と比べたら安いことに変わりはありません。

話題になったポストの物件は現在だと5万円ほどになっています。ジョージアは基本的に2人以上で暮らすことを想定された物件が多いので、1人暮らしだとスペースが余るくらい十分な広さの家に住むことができます」(KOHさん)

KOHさんの部屋(本人Xより)
KOHさんの部屋(本人Xより)

KOHさんの1か月の生活費、そしてその内訳についても聞いてみた。

「近年は月20万円ほどで生活していて、そのなかで食費は1万5000円ほどです。ジョージアには日本の牛丼屋のような格安チェーン店はないので、外食するとしたら基本レストランでの食事になります。レストランでの1回の食事代は3000円からと、ほぼ日本と変わらないので、なるべく食費を抑えるために自炊をしていますね。

日本と比べて特に安いのが野菜です。メロンは1個500円ほど、キュウリは1本10円から20円ほどと、日本と比べると断然安いです。ジョージアは農業が伝統産業ということもあって、地元の新鮮な野菜がお得に食べられるんです」

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)