アクションシーンは当日覚える!?
これまでもグラビア撮影でさまざまなロケ地を訪れてきた今森だが、『ゴジュウジャー』では茨城、栃木、神奈川、千葉、埼玉など、北関東中のさまざまな場所での撮影に挑んでいる。
中にはアクションシーンもあるはずだが、まだ演技経験が浅いうちは大変ではないだろうか?
「そもそも、合格を知らされてから撮影まではそこまで期間がなかったので、役作りそのものが大変でした。アクションシーンは最近になって実践するようになったのですが、実は練習してから撮影に入るわけではないんです。
現場で『今日はこういうアクションをします』と言われて、その場でアクターさんに教えてもらって、10分後には撮影という感じ……。毎回緊張感があります」
幼少期から特にスーパー戦隊シリーズに親しんでいたわけではないという点は、一見ディスアドバンテージになりそうだが、実際はそうでもない。
「スーパー戦隊シリーズは男の子向けの番組だと思っていたんです。ですが、今は女性ファンもたくさんいることを実感しています。そこから、過去のシリーズ作品を見るようになって、だんだん好きになっていき、今では完全にハマっています!」
今回、彼女が演じる一河角乃/ゴジュウユニコーンは、クールだが必要とあらば愛嬌も武器に使う、元・警察官の探偵という役柄だ。
「一河角乃は、感情の変化や人によって態度を変えるのが分かりやすい子。あざといときはあざといし、嫌いな人にはツンツンしていて、面白いキャラクターなんです。
普段の姿はかわいくて可憐だけど、アクションシーンを演じている時は超カッコいいので、そのギャップにも注目してほしいです」
同作の紅一点であり、スーパー戦隊シリーズ史上初となる“女性ブラック”。しかも、50周年の節目となる作品だ。その重圧は徐々にのしかかっていく。
「最初は不安を抱いていただけで、責任は感じていませんでした。ゴジュウユニコーンを演じるということが、どれだけ重大なことなのかも、よく分かっていなかったんです。でも、少しずつ責任感が芽生えてきて、自分自身の役への理想も高くなってきました」
プロデューサーたちと役作りについて話す中で、「ブラックだからというわけではないけど、チームの男性陣に負けないような、女性としての強さを持っていてほしい」と言われたと話す。
「5人の中の紅一点は『華やか』というイメージがありますが、それだけではなく、力強さというものもブラックとして表現していきたいです。
今まさに撮影中ですが、1話前の自分のシーンを見返すと、『ここもう少しこうできたよな』『ここは違ったかも』と思うこともあります。これから1日1日を大切に、真摯に向き合っていけば、後悔しないと思っています」
『ゴジュウジャー』は、毎週のテレビ放送だけでなく、映画『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』が7月25日から全国での公開も控えている。
「50周年を記念する作品ということで、過去のスーパー戦隊シリーズのレッドもたくさん登場します。『最近、スーパー戦隊シリーズから離れていたな』という人も、この映画を見れば、きっと懐かしさでテンションが上がると思います。
さまざまな世代の方に楽しんでもらえる要素がたくさん詰まった本作を、たくさんの人に見ていただきたいですね」
女優・今森茉耶の可憐さと力強さを、ぜひ劇場でも見届けてほしい。
取材・文/千駄木雄大 撮影/矢島泰輔