ドライアイにも注意
目の表面が乾くことで生じるドライアイは、疲れ目、目の痛みや不快感、眼精疲労、コンタクトレンズのトラブルなど、さまざまな症状をもたらします。
本来、涙は目の表面に均一に広がっており、そのおかげでものがよく見えるのと同時に、眼球の表面にある角膜を保護しています。しかし、何かの理由で涙の分泌に異常が起きるのがドライアイです。
ドライアイには3つのタイプがあり、解消の方法も異なっています。
・蒸発亢進型 涙の蒸発が進むタイプ
・涙液減少型 涙の量が少ないタイプ
・水濡れ性低下型 目の表面で水をはじきやすくなるタイプ
このうち、最もポピュラーなのが、涙の蒸発が進むタイプのドライアイで、デスクワークでPC画面を長い時間にわたって見ている人に現れる症状です。
PC画面を集中して見つめていると、まばたきの数は通常の3分の1程度まで減少します。そのため、長時間のPC作業によって涙の蒸発が進み、ドライアイになってしまうのです。エアコンの使用による室内の乾燥も原因となります。
ドライアイになると角膜の表面に細かな傷がつきやすくなり、かすみ目の原因になったり、細菌やウイルスに感染しやすくなってしまいます。いったん角膜に傷がつくと、修復までに1週間ほどかかります。
このタイプのドライアイを防止するには、集中して作業しているときにも意識的にまばたきの回数を増やすことが大切です。加湿器で室内が乾燥しないようにしたり、エアコンの風が直接目に当たらないようにすることも効果的です。
目の痛みや不快感を緩和するために、市販の目薬を使っている人も多いでしょう。ただし、目薬をさし過ぎると、涙の量が減ってドライアイを悪化させることがあります。用法を必ず守ってください。涙と同じ成分で、刺激の少ない防腐剤無添加の目薬がおすすめです。
なかなか症状が緩和されないときは、眼科医に相談してください。ドライアイの治療には、タイプに合った点眼薬が使われます。水分を補うものや、目の表面で水分を保持するもの、目の表面から水分を分泌させるものなどがあります。
ドライアイの3つのタイプのうち、2つまたは3つが同時に発生しているケースもあります。さらに悪化する前に医師に相談しましょう。
文/加藤浩晃