肌は体の中の健康状態を示すバロメーター
仕事が忙しくて疲れていると、同僚や知り合いから「お疲れですか?」、「大丈夫?元気?」などと言われたりします。本当に疲れているかどうかは本人しか分からないはずですが、相手は外面に現れた様子を見て、そう判断しているわけです。判断の材料となっているのは、外から見えやすい顔でしょう。私たちは、顔の表情もさることながら、肌の色つやを見て、その人の体内の健康状態を推し量っているのです。
女性の多くは、日々鏡の前で肌をチェックすることを怠りません。ところが、男性は肌の調子に無頓着な人がまだまだ多いようです。少なくとも、毎朝1回は鏡で肌の状態をチェックして、くすみ、肌荒れ、吹き出物、炎症などがないか確認することが大切です。
肌は健康状態のバロメーターです。自分の肌の状態が悪いことに気づいたら、生活習慣を見直すきっかけにしてください。肌の大敵は、睡眠不足、不健康な食事、便秘、ストレス、運動不足の5つ。肌の不調があれば、この5つのどれかに問題があるかもしれません。
肌の調子を整えるために大切なことの1つは、「ターンオーバー」を意識することです。ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚がはがれ落ちていくこと。いわば、肌が生まれ変わることです。ターンオーバーのサイクルは、20代で約1カ月、40代だと1カ月半ほどに延びるといわれています。
生活習慣の問題などで、このターンオーバーが乱れると、くすみ、シワ、肌荒れなどの原因になってしまうのです。
肌の不調が感じられたら、先ほど挙げた5つの生活習慣を見直したほうがいいかもしれません。
睡眠は肌の順調なターンオーバーに欠かせません。睡眠不足は、肌の乾燥やくすみなどの原因になります。質の高い睡眠を心がけてください。
食生活は肌の健康に直接影響します。栄養素をバランスよくとることで、肌の乾燥や炎症を予防できます。ビタミンCやEのような抗酸化物質の摂取を心がけてください。
お酒の飲みすぎは肌の大敵です。アルコールの分解過程で生じるアセトアルデヒドが長く体内に存在すると、老化を促進するAGE(終末糖化産物)が生成されます。AGEはシワ、くすみ、乾燥など、数々の肌の不調を引き起こしてしまうのです。食生活と関連して、便秘も肌の大敵であることはよく知られています。肌のターンオーバーを乱して、ニキビや吹き出物の原因となります。食物繊維を多く含む食事が大切です。
ストレスは、肌の乾燥や炎症を悪化させてしまいます。普段から、自分なりのストレス解消法を用意しておきましょう。適度な運動はストレスを解消するだけでなく、血行を促進して肌への栄養を供給することで、肌を整える効果があります。