役割期待の握り直し
たとえば、私は「役割期待の握り直し」と呼んでいるのですが、働き方を柔軟に改められるようにする。そして給与形態もそれに準じて変える。
それまではバリバリ働いていたとしても、出産前の時期に少しずつ業務量や業務時間を減らしていく。それに準じて給料も減っていく。あるいは、育児の状況を見ながら、今度は復職を目指して少しずつ業務量や業務時間を増やしていく。そうなると、給料も少しずつ増えていく。
完全に復職する際にも、以前のようにバリバリ働く道を選ぶのか、少し抑えた仕事量にするのか、給与形態も含めて「役割期待の握り直し」を行う。つまり働く側に複数の選択肢を提供することです。これは女性に限ったことではなく、男性が育児や介護にシフトする際にも、適用すべきことだと思います。
こうした柔軟な制度があれば、女性はライフイベントがあっても、キャリアを継続でき、男性化することなく働き続けることができます。
女性管理職比率や女性役員比率の数値目標を設定し、その実現を義務化するよりも、こうした女性の働き方を支援する柔軟な制度の導入を義務化するほうが、女性活躍によほど資すると私は確信しています。