「忘れない脳」が私を悩ませる

「記憶する」という脳の働きは、必ずしも「その記憶に振り回される必要がある」ということを意味しません。

山田さんの場合、確かに課長との出来事は脳に記録され続けるでしょうが、その記憶がつねに意識の中心にあって不安や緊張を引き起こし続ける必要はありません。

これは、私たちが過去に転んで怪我をした場所を覚えているようなものです。その場所を通るたびに「ここで転んだな」と思い出すかもしれませんが、だからといって毎回その記憶に動揺したり、その道を避けて通ったりする必要はないはずです。

ところが、扁桃体はときとして過剰に反応してしまいます。課長の何気ない一言を「重大な警告」として受け取り、その記憶を「極めて重要な危機情報」として保存し続けようとするのです。

記憶と感情に重要な役割を果たす扁桃体
記憶と感情に重要な役割を果たす扁桃体
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その結果、廊下で課長と会うたびに緊張したり、夜、自宅に帰ってからもその場面が頭から離れなくなったりしてしまいます。

このような扁桃体の過剰な反応は、現代社会において、しばしば私たちを悩ませる原因となっています。原始時代には生存に役立った「忘れない仕組み」が、むしろ私たちの日常生活に支障をきたすようになってしまっているのです。

写真/Shutterstock

あの人を、脳から消す技術
菅原 道仁
あの人を、脳から消す技術
2025/4/16
1,540円(税込)
192ページ
ISBN: 978-4763142160

発売前からSNSで共感の嵐!
せめて離れてるときくらい
あの人を忘れたい・・・


「あの人の顔を見ただけで、イヤな気持ちになる」

「寝る前にあの人とのイヤな会話を思い出してしまう」

「あの人からのメールや電話は後回しにしたい」

「会話中にあの人の話題が出ると、愚痴を言っちゃう」

「誰かがあの人の名前を出すと、話題を変えたくなる」

これは、頭の中に住みついている
そんな「あの人」のことを忘れて、
ストレスのない日々を送るための本です。

あの人とは、たとえばこんな人です。
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・失礼なあの人
・見下してくるあの人
・支配してくるあの人
・批判してくるあの人
・陰口を言うあの人
・生意気なあの人
・嫌味なあの人
・だらしないあの人
・自慢げなあの人
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「あの人」が目の前にいるときだけじゃなくて、
離れているときも、夜寝ようとするときも
四六時中、頭の中に住みついてる。

よくイヤな人からは離れたほうが
いいと言われますが、
家族や会社や学校にあの人がいたら、
それもなかなか難しいですよね。

であれば、せめてあの人が
目の前にいないときくらいは、
脳から消してしまいたいものです。


●脳があの人を危険人物扱いする!

脳には感情を司る「扁桃体」があります。
扁桃体は、イヤなあの人を

「危険人物だから要注意!」

とつねに警戒態勢をしてきます。
だから、あの人が頭に住みついちゃう。

消したければ、扁桃体に

「もう警戒態勢をといていいよ」

とサインを送るのが効果的です。

本書は、現役の脳神経外科医が書いた
脳から、あの人を消す技術です。

脳は「覚える」より
「忘れる」ことのほうが苦手。
だからこそ、頭に住みついた
あの人を忘れるためには、
脳科学的なアプローチが必要です。

本書には、誰にでも実践できる
7つのテクニックが書かれています。
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1.映画化テクニック
2.書き出しテクニック
3.リフレーミング・テクニック
4.タイムリミット・テクニック
5.今ここテクニック
6.身体化テクニック
7.言語化テクニック
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脳科学の視点から、あの人を
忘れる方法を解説した画期的な一冊。
「気づいたら、あの人が頭から消えていた」
という解放感を、ぜひ味わってください。

【本書の目次】
はじめに 脳は「嫌いな人」を「重要な人」と判断する
第1章 あなたのモヤモヤの正体を知る
第2章 なぜ、あの人が頭から離れないのか
第3章 あの人を脳から消す7つのテクニック
第4章 あの人が「いない脳」を作る
第5章 睡眠は「あの人」を消すチャンス
第6章 イライラ知らずになる5つの脳トレ
第7章 実践!困った「あの人」への対処法
第8章 人生で一番大切なことは何か?
エピローグ あなたの心が晴れますように

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