都民ファでは「政治資金収支報告書は厳しく」と指導されていた
都民ファーストの内情をよく知る関係者は、荒木氏が不記載だった272万円について、「パーティー券のキックバックによるお金と言って間違いない」と証言する。
関係者によると、都民ファーストは少なくとも2024年まで、政治資金パーティーを行なう際にパーティー券のノルマを超えた分についてはその売上を各々に還元できるキックバックの制度があったという。
パーティー券は1枚2万円で売られており、役職によってノルマの枚数は異なるという。「多くの党員が50枚をノルマとして課せられていた」と明かした。
以前、都民ファーストの会に所属し、現在は小池都知事追及の急先鋒として知られる「自由を守る会」の代表の上田令子都議もキックバック制度に疑問を投げかけている。
「私が都民ファにいたときから、パーティー券のノルマとそれに伴うキックバックもあったと認識してました。党内出世のためや政治資金確保のために売るなど様々な都議がいました。もちろんパーティー券を売っても記載すれば違法性はないので、お金で尻尾をつかまれたくない都民ファでは政治資金収支報告書は厳正に記載する方針でした。
ですが、私はそもそもパーティー券のシステム自体に懐疑的です。当時、私にも50枚まとめて買い取ると言ってくれた企業の方もいましたが、買い取ってもらうことで便宜を図らなきゃいけない空気になるでしょうし、やりたい政治ができなくなるのは明らかでした。なので結局私はパーティー券を売りませんでしたし、それも党を離党した理由のひとつですね」
前出の関係者は「政調会から、法律に基づいて(政治資金収支報告書に)載せるよう口酸っぱく言われていた。でないと自民党と同じになるからと指導があった」と話す。
上田氏によると、荒木氏は「政治活動は熱心にしていて、いろいろな会合に顔を出していたから、政治活動の資金はかかっていたと思う」と話す。ただ、荒木氏の不記載額について、「そもそもこの金額を書き忘れることなんてないし、ありえない。都民ファも自民党の不記載問題について指摘していたのだからきちんと説明すべきだ」と厳しく言及した。
かつて荒木氏は都議会自民党の運営側について、自身のXで以下のように投稿している。
〈政治不信を招いている事に対し説明責任と然るべき対応を求めています(25年2月10日)〉
〈都民の政治不信を払拭するべく議会としても取り組んでいく(25年2月13日)〉