恐喝されて「このまま進んでも地獄だな」「いつか潰れるな」と我に返った

刑事事件になった場合、自身が立件される可能性についてはこう心境を吐露した。

「もし私が訴えられたりしても、研究に関してはすごく社会にとって有益なので、X先生やY先生『以外』の先生方が寝る間も休みも惜しんでやっていただいた研究はすごく素晴らしいです。なんとか私だけの罪で済むならば続けて欲しいです。

提訴するにあたって当時の感情を思い出すくらい膨大な客観的証拠を見直しました。反省しなければならない点については悔やんでいますが、正直恐喝された(昨年)8月30日に戻ればいいのか、その前まで戻ればいいのか、どこに戻ってもNOと言えないかもしれない。

このまま我慢して金を払っていたら、9月には3億円以上の分析センターの(検査機械の)代金も払わされていただろうし、約3年後の予定でしたがX先生が退職した後にクリニックを作って年間2700万円の給料も負担していたかもしれません。恐喝されて『このまま進んでも地獄だな』『いつか潰れるな』と我に返った感じです。

悩みながらも他の素晴らしい研究員が卓越した成果を出してくれていたので、なんとか研究の正常化ができればいいなと耐えたんですが、(昨年)9月17日までの2人の手のひら返しが酷かったので、仕事に行くのも嫌になりました。そこで『もう我慢できない』と弁護士に相談し、今に至ります。悔やんでいます」

クラブで“濃厚接触”、東大教授らへの“エロ接待”写真
クラブで“濃厚接触”、東大教授らへの“エロ接待”写真

昨年9月17日、引地氏は「東京大学コンプライアンス通報窓口」に訴えたが、大学側は「共同研究は中止」と一方的に通告、契約解除をしてきた。以降は何をしようとガン無視で、報道各社の事実確認の問い合わせに対しても「お答えできかねます」という徹底した塩対応を貫いている。

その体たらくぶりについて問われた阿部俊子文部科学大臣は「大学の対応を注視し、必要に応じて指導と助言を行う」と意味不明の玉虫色の回答をしたにとどめた。
管理監督をすべき文科大臣までこのありさまなだけに、司法の判断が注目される。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班