巨大地震の歴史

南海トラフ巨大地震はこれまでも何回も起きていて、その都度大きな被害をもたらしてきました。図2が、その南海トラフ巨大地震の歴史です。

図2:東海地震・東南海地震・南海地震。鎌田浩毅『日本の地下で何が起きているのか』(岩波科学ライブラリー)。『「地震」と「火山」の国に暮らすあなたに贈る 大人のための地学の教室』より。イラスト:田渕正敏
図2:東海地震・東南海地震・南海地震。鎌田浩毅『日本の地下で何が起きているのか』(岩波科学ライブラリー)。『「地震」と「火山」の国に暮らすあなたに贈る 大人のための地学の教室』より。イラスト:田渕正敏

だいたい100年に一回ぐらいですが、1707年の江戸時代に宝永地震、1854年の幕末に安政南海地震、近年でいうと昭和21年、1946年に昭和南海地震が起きています。

次の南海トラフ巨大地震が起きる時期はしっかりと予測されていて、それは先ほどお話しした2030年代です。

これまでの歴史で見ると、1707年の宝永地震では東海地震、東南海地震、南海地震が3つとも連動しました。江戸幕府五代将軍・徳川綱吉の頃ですが、3つが連動して20秒以内という短時間ですべてが起きたとされています。

次の1854年の安政南海地震は東南海地震と南海地震が32時間の差で起きました。まず名古屋沖が動いて、その一日半後に四国沖を震源とする地震があったわけです。

それから次の1946年の昭和南海地震は2年の差になった。昭和東南海地震が1944年に起きて、2年後に昭和南海地震が起きています。

整理すると南海トラフ巨大地震の連動は、江戸時代は20秒、幕末は32時間、終戦直後は2年という時間の差があるわけです。

いずれにせよ、名古屋沖の東南海地震、静岡沖の東海地震、そして四国沖の南海地震の順番で起きていることはたしかでしょう。