県警は「ただちに白井容疑者の自宅を確認し事情聴取をした」
容疑者の身柄を確保したことで神奈川県警は同日、これまで批判を浴びてきた川崎臨港署の対応について初めてメディアに説明を行なった。県警担当記者はこう解説する。
「説明では、昨年6月13日から11月までの間に白井容疑者と彩咲陽さんの間のトラブルについて署は8回対応しています。白井容疑者に殴られたり、家から無理やり連れ出されたりしたと彩咲陽さんが署側に話したこともあったといいます。
一方、彩咲陽さんが一度出した被害届を取り下げ、11月の段階で復縁していたことがわかったとも説明しています。
また12月に入ってから彩咲陽さんは9回署に電話をしていました。白井容疑者に自転車を盗まれたとする被害届を出したり、『白井容疑者が自宅付近をうろうろしているので怖い。パトロールしてほしい』と求めたりしたといいます。
そして最後の電話は12月20日の午前7時10分ごろ、対応に当たっていた警察官が出勤しているか確認する内容で、署がこの警官が不在だと伝えると彩咲陽さんは『時間をおいて連絡します』と言って電話を終えたといいます」(県警担当記者)
彩咲陽さんが泊まっていた祖母宅からいなくなったのはこの直後だ。2日後、祖母はガラス窓が割られているのに気づき警察に通報。家族は刑事らに、「彩咲陽は白井容疑者に拉致された」と訴えたが「部屋の中からガラスを割っている」「事件性はない」と言われ、指紋採取も写真撮影も行なわれなかったという。(♯4)
この日の対応について県警は「ただちに白井容疑者の自宅を確認し事情聴取をした」と説明した。一方で、割られた窓が施錠されており、ガラス破片が内側から外側に飛んでいることを理由に、「室内側から割られた可能性もある」と伝えたことは認めた。また写真は撮ったが指紋採取は1月7日に行なった、と明らかにした。
「県警は、この12月22日から3月末までに7回白井容疑者を任意聴取したことなどを挙げて『必要な措置を講じてきた』と会見で言いました。また『ストーカー被害の相談は受けた認識はない。彩咲陽さんが警察の対応を望んでいないと判断し、ストーカー規制法上の警告もしていない』と説明しました。失踪の前も後も、対応の不備は認めていません。
しかし、4月30日の家宅捜査はストーカー規制法違反容疑で行なっています。県警は3月末までの聴取での白井容疑者の供述を根拠に令状を取ったと説明しています。
県警は会見で、川崎臨港署の対応への評価を聞かれ『重大な事案と認識している。今後の捜査により一連の経緯も含め事案の全容を明らかにしていく』とも表明しました。署の対応を洗い直す必要性は認めた形です」(県警担当記者)