「抗議しても署は全部『わかんない』の一点張りで…」
この説明に遺族や友人らは県警への不信を一層深めた。3日夜、父親ら遺族と友人は、遺体発見直後の1日に続いて川崎臨港署を抗議のために訪問。90人以上が集まったとみられ、署の1階受付で幹部や担当警察官の説明を求めるさなかには「お前らが殺したんだろ」という怒号が飛んだ。
その様子を参加者がスマホで中継し、署に入りきれなかった他の知人らは建物の外で見入った。道を挟んだ向かいに側は機動隊が20人ほどバスのなかで待機しており現場は騒然となった。
求めていた署の幹部や担当警察官からの説明を受けられなかった父親は、抗議の途中、署の外で待つメディアの前に戻り「ウソだらけなんです。ほんと、どうしようもない。うちの娘はここで殺されたのと一緒だから」と怒りをあらわにした。
県警がついたという“ウソ”について父親は、
「割られたガラス窓が閉まって(施錠されて)いたから事件性はないと言いますが、窓ガラスは見つけた時は開いていて、閉めたのは(彩咲陽さんの)祖母なんです。
僕は何回もストーカーで白井を捕まえてくれって言ってきた。でも『本人(彩咲陽さん)がいないからそれはできない』ってずっと警察は言ってきたんです。それが、最後はストーカー(規制法)で捜索してるじゃないですか。言ってることとやってることが全く違う。その理由も話さないし、なんで途中でそれができるようになったかもわかんないし」
と説明。こうした矛盾を直接、県警の幹部に問いただしたいと訴えた。
「抗議しても署は全部『わかんない』の一点張りで、あと都合が悪い時は黙ってるんです。謝罪? 今まで一度もないですよ。警察は本当の話をすればいいだけだし、自分たちが悪いんだったら、どうもすいませんって1回謝りゃ済むことじゃないですか。
みんなの前で、僕ら家族とこの神奈川県警、臨港警察署の話し合いをする場を作ってほしいです。その場で全部ただしたい。僕たちの力じゃできないから、みんな(メディア)の力で場を作ってほしいです」(彩咲陽さんの父親)
夜9時半ごろ、抗議をいったん終え遺族と友人らは散会したが、それでも20~30人は署の前で、県警本部から白井容疑者の身柄が移送されてこないかと待ち続けた。彩咲陽さんの友人の女性は金網越しに泣きながら「彩咲陽を返せ」と、駐車場にいる署員に怒りをぶつけた。
遺族らはこれからも県警との話し合いを求め、署名を集めるとしている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班