ドラフトなど新しいチャレンジも予定しているBリーグの未来とは?
――Bプレミアの始動に向けて楽しみな要素のひとつに、26年1月に開催されるドラフトがあります。新たな試みに挑戦する目的を教えてください。
ドラフトはBプレミアのみに権利が与えられますが、そのなかでも練習環境などの条件が揃っていないと参加できない仕組みとしています。狙いとしては戦力の拮抗、リーグの活性化が一番ではありますが、今よりも数年先を見据えています。プロ野球のように、今の中学生が『Bリーグに行くならドラフトで指名されるような選手にならないといけない』と目指してもらえるようにしたい。そのため、26年から1、2年はややインパクトに欠けるかもしれませんが、大事なことは続けること。その都度ルールを変えながら魅力あるシステムにしていきたいと思っています。
――アマチュアの選手をドラフトで獲得するということは、これまで採用してきた、高校生や大学生がクラブとプロ契約を結べる「特別指定選手」の制度は撤廃するのでしょうか。
いえ、残します。ウインターカップやインカレで活躍できたのに、残りの学生生活をプロという高いレベルで修行できるチャンスを奪ってしまうのはよくないと思っているので。なので、例えばですが、特別指定選手として千葉ジェッツでプレーしていたのに、ドラフトでは他のクラブから指名され入団するといった選手も今後、出てくるでしょう。ただ、これに関してはバスケットボール協会のユースとの兼ね合いもあるので、双方で連携を取りながら改革を推し進めていきたいと考えています。
――著書で掲げていた改革の実現性を含め、今度のBリーグがますます楽しみです。
今シーズンはオールスターなども含めてですが、Bリーグの入場者数が480万人に到達しそうな勢いです。概算では来シーズンはさらに伸ばせると見込んでいますし、勝負と位置付けている26年からのBプレミアのファーストイヤーへ向けて弾みをつけていきます。『2028-29シーズンには700万人』を掲げていますので、各クラブのみなさんにはお尻に火をつけていただいて、結果を出してもらいたいです。
――これまでの取り組みを見させていただくと、Bリーグで最も尻に火がついているのは島田チェアマンご自身ではないでしょうか。
それは言えるかもしれませんね。各クラブに高いレベルを求める以上は、リーダーである私が責任を持って動かないといけませんから。これからもBリーグを盛り上げ、さらなる地方創生を目指していきます。
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2016年の開幕から成長を続けるBリーグ。その秘密と「バスケで日本を元気にする」未来へのビジョンについて、現チェアマンであり、元「千葉ジェッツ」社長としてクラブを、事業面、強化面ともにリーグトップに成長させた実績を持つ著者がまとめたスポーツビジネスの教科書。
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取材・文/田口元義 撮影/藤澤由加
※「よみタイ」2025年5月5日配信記事