鳥海擁するU23日本代表が見せた快進撃
そんな2人がダブルエースとなり、古澤がキャプテン、鳥海が副キャプテンを務めた男子U23日本代表は、17年1月に男子U23アジアオセアニア予選に臨んだ。予選リーグでは強豪のオーストラリアやイランをも撃破し、5戦全勝でトップ通過。準決勝ではタイに快勝し、決勝進出を果たすとともに、半年後の男子U23世界選手権への出場を決めた。
“世界一のディフェンスで勝つ”のスローガン通り、チームはプレスディフェンスを最大の武器とした一方、オフェンスではキャプテン、副キャプテンが得点源となった。古澤が3ポイントシュートを含むアウトサイドからのシュートを高確率に決めれば、鳥海はスピードを生かした速攻やドライブからのレイアップで得点を重ねた。
鳥海にとって予選でのハイライトは第3戦のオーストラリア戦で、20得点でトップスコアラーとなった試合。チームは決勝でイランに敗れたものの、鳥海は3Qの後半には2分間で7得点と独壇場とするなど活躍。川原凜とともに、初めてオールスター5に選出され、銀メダル獲得に大きく貢献した。
同年6月、U23世界選手権が開幕。各大陸ゾーンの予選を突破した12カ国が出場し、9日間にわたって熱戦が繰り広げられた。6カ国ずつ2グループに分かれて行われた予選リーグ、プールBの日本はイギリス、ドイツと4勝1敗で並び、得失点差で3位通過となった。
鳥海自身の調子も良かった。予選リーグ最終戦のドイツ戦では敗れはしたものの、ビッグマンを揃えた高さのある難敵に対してチーム最多の25得点。フィールドゴールを13分の11で決め、85%の成功率を誇った。
準々決勝ではプールAの2位カナダと対戦し、58-45で快勝。いよいよメダルゲームへと突入した。しかし、イギリスとの再戦となった準決勝は試合開始から約8分間、得点を挙げることができずに大苦戦。ようやく挙げた最初の得点は、鳥海のミドルシュートだった。結局、1Qは鳥海による6得点に留まった。ディフェンスをプレスに切り換えた2Qこそ互角に渡り合ったものの、後半に入るとさらにギアを上げたイギリスの勢いを止めることができず、76-34で完敗を喫した。