「半年もたっていないのに再び不信任できるのか…」
百条委の報告にも非を認めず、亡くなった告発者をさらに責めるかのような態度を取った斎藤知事の会見を受け、読売と日経、朝日、産経の各紙がこの姿勢を批判する社説を掲げ、兵庫の問題は再び全国レベルで拡大した。
だが、昨年不信任決議案を全会一致で可決した県議会の動きは鈍い。その事情を県議会関係者はこう話す。
「昨年11月の出直し知事選で111万票余りを獲得して再選された知事を、半年もたっていないのに再び不信任できるのかと考えると県議会も慎重にならざるを得ないでしょう。また、斎藤知事に代わる次の有力な知事候補がいないという現実的な問題があります。
一方、知事の疑惑に関しては元裁判官らでつくる第三者委員会が3月中に報告書を出す予定です。さらに、知事選で斎藤知事の陣営が公職選挙法で禁じられた有償のインターネット広報を行なったと告発された問題で、兵庫県警と神戸地検がSNS広報を担ったPR会社に合同で家宅捜索を行うなど捜査が続いています。
このため第三者委と捜査の行方を見定めようと、県議会は6月議会までは表立った動きはでないでしょう」(県議会関係者)
だが、議会が動くまで斎藤県政が安泰かといえばそうではない。
「Aさんを貶めた知事の記者会見を見た同僚も怒りに震えていました。公務員は、どのような人であれ選挙で選ばれたトップの政策実現を図る努力をすることが仕事だと分かっています。でも、斎藤知事だけは許せない」(県職員)
正面突破を図った斎藤知事の足元で、県組織の揺らぎは拡大している。
※「集英社オンライン」では、今回の記事についてのご意見、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
X(旧Twitter)
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班