混ぜものや加熱や汚染のない生の純粋なはちみつを
「大さじ1杯のはちみつに小さじ4分の1杯のビタミンC」というのがご紹介した標準版の分量だが、流動体や粉末の強みで、好みの味や摂りたいビタミンCの分量に合わせて、これも自在に増減して調節できる。
ビタミンCの摂取量をもっと細かく管理したいなら、もっと小さな計量スプーンを使ったり、0.1グラム単位で計れるデジタル秤を使うのも手だ。石けんやクリーム作りのハーブやクレイ、粉のラピスラズリや、パンを作るときのドライイーストなど、細かいものを計量するのに使っているが、何かと役立つ秤である。
何はともあれ、この「ハニーレモンキャンディ」、こんなに簡単に、体力作りや免疫力増強、病気の予防ができるなんて、今でも何だか信じられないほどなのだ。なんといってもおやつのような美味しいサプリメントで、しかも効能を発揮する成分以外に何の余分な混ぜ物もないのがうれしい。しかもこれは、花粉症などの症状を緩和したり、よく効く風邪薬でもある。
このレシピに使うはちみつは、できあがりの味としてはどうしてもビタミンCの酸味が勝ってしまうので、繊細な風味が魅力だというタイプのものはおすすめしない。料理やお菓子作りに使う日常用のはちみつで十分だ。ただ、それでも必ず、混ぜものや加熱や汚染のない生の純粋なはちみつを使ってください。
ミツバチがせっせと集めてくれた元気の素をそのままいただくことが、このサプリが抜群にいい理由なのだから*3。
写真/shutterstock
脚注
*1 主要参考文献 Chen, Q. et al. Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: Actions as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues. Proceedings of the National Academy of Sciences. 2005;104:8749-54.
*2 薬局で扱われているビタミンCの原末(アスコルビン酸、またはL―アスコルビン酸)と同じものが、簡易包装でお手頃にインターネット通販など(「食品添加物」の表示)で、手に入る。現在のビタミンC原末の世界でのシェアは、医薬品表示、食品表示を問わず、ほぼ9割が中国産で約1割がイギリスとなっている。販売時に「国産」とあるのは、原末を輸入の上で国内で包装したということで、事情はどの国でも同様。純粋な原末であるかぎり、品質の心配はいらない。
*3 風邪の時の栄養剤としては、ビタミンC原末のほかに、抹茶やシナモン、しょうが、ココアの粉末などを使ったバリエーションもおすすめ。
これまでに専門的な研究によって一般的な安全性や効用が発表され、広く確認されてきた素材やその活用法について、著者の経験を合わせながら紹介しています。しかし、どんなに安全性が高いとされる素材も、全ての人に相性がよいということはありません。「自分との相性」を注意深く確かめながら、自己判断の上で、活用するようにしてください。また、はちみつは、幼児の発達と健康に大変よいとされているものの、過去にはちみつの中にボツリヌス菌が見つかったことがあることから、腸内細菌叢が未発達な1歳未満の乳児には与えるべきではないとされています。