Aさんの全裸の土下座映像のすべて
つづいて、神居古潭で全裸のAさんが土下座している動画が映し出された。(※実際の映像は傍聴人らには見えないように再生されている)
映像は、携帯電話で撮影した動画特有のノイズ音とともに、Aさんの弱々しい声が聞こえる。
まず、神居古潭に到着後、内田被告の指示で車内で全裸にさせられた後、駐車場のアスファルトの上で土下座させられている、わずか6秒の映像から。
Aさんの声は震えていて、少し早口でこう話す。
<なめた態度ばっかりとって、申し訳ありませんでした…>
次に映し出されたのは、12秒の動画。Aさんが全裸で橋の欄干に座って、謝罪しているものだという。
内田被告「(少し命令口調で)はいどうぞ」
Aさん「なめた態度ばっかりとってすみません……キャッ、やめて…」
法廷に、Aさんの悲鳴が響き、ここで動画は終わっていた。
検察側によると、Aさんが悲鳴をあげて、欄干から橋の床に戻ってきたという。だが、被告らは再度欄干に座るように指示し、転落させたと指摘する。
静かな法廷に流れる、被告らとAさんの音声。裁判員や裁判官、法廷にいる誰もが聞き入っている。
筆者も鳥肌が立った。どこにでもいるような、悪びれる様子は微塵もない若い女の声の奥に、なにか狂気が感じとれたからだ。
当の被告は終始、下を向きながら、目をつぶったり、少し動揺している様子。この映像が流れている間、弁護側のモニターにも同じものが映し出されていたが、弁護人の隣に座る被告は映像には目をやらず、うっすらと涙を浮かべていた。