「私の誕プレは何!?の巻」(ジャンプ・コミックス163巻収録)
今回は、両さんが大学入試に挑むと勘違いした周囲の人々が、両さんを応援するお話をお届けする。
本作は、3月7日からお届けしている「記憶にないわしの誕生日の巻」(ジャンプ・コミックス147巻収録)と対になるようなアイデアで誕生日を描いた異色作だ。
前作が両さんに「誕生日を祝われたと勘違いさせる」お話だとしたら、本作は両さんが「周囲が勘違いによって暴走し、両さんも誕生日を祝われていると勘違いする」お話だ。どちらのシチュエーションコメディのお手本と呼べるような傑作だ。合わせて読み比べてみるのも一興だろう。
ところで、誕生日を祝う習わしがいつから行われるようになったか、ご存じだろうか。
神や権力者の誕生日を祝う催しは古来よりあったが、日本において個人の誕生日を祝うのが一般的になったのは、20世紀中盤以降だ。
日本ではもともと、正月の訪れとともに誰もがひとつ年を重ねる「数え年」で年を数えていた。子供の成長を祝う「七五三」は江戸時代に旧暦11月15日に行われていたが、個人の誕生日を祝う風習はなかった。
明治時代になると、生まれたときを0歳として、以降、誕生日を迎えるとひとつ年を取る「満年齢」が導入されるが、なかなか普及しなかった。1902年には「年齢計算ニ関スル法律」が施行されたほどだ。
そして1950年に「年齢のとなえ方に関する法律」が施行されると、ようやく個人の誕生日に関する認識が高まっていた。誕生日を祝う風習も、それ以降に普及したと考えてよい。
それでは次のページから、両さんの誕生日祝賀ムードに沸く!? 人々が巻き起こす騒動をお楽しみください!!