「記憶にないわしの誕生日の巻」(ジャンプ・コミックス147巻収録)
今回は、両さんの誕生日をめぐる、とびっきりの異色作をお届けする。
本作が「週刊少年ジャンプ」に掲載されたのは、2005年の5月。お話の都合で設定がコロコロと変わる部長の誕生日はともかく、両さんのそれは3月3日だ。それなのになぜ5月に? と思う方もいるかもしれない。
本作は、周囲の仲間たちが両さんの誕生日を失念してしまい、それを本人に悟らせまいと悪戦苦闘する様を描いているのだ。何かを誤魔化そうと悪だくみをするのは、普段なら両さんの役割だ。それを逆転させた特別な一作を、充分にお楽しみいただきたい。
さて、両さんは勉学については鶏並みの記憶力しか持っていないが、趣味やお金儲けに限れば、超人的な記憶力を発揮する。そんな両さんの「記憶」を惑わすエピソードは、本作以外にも存在する。本作をお読みいただく前に紹介しておこう。
トランプゲーム「神経衰弱」で勝つため、怪しい装置に接続!
神経衰弱で勝てずにくやしい思いをした両さんは、記憶力教室を訪れる。そこでは怪しいマシーンにかけられたり、限りなくイカサマくさい記憶力増進法を授けられたりで……。
「超記憶術増進法!の巻」(ジャンプ・コミックス65巻収録)
オリンピックで記憶力の限界に挑む!
オリンピックに缶蹴り競技の日本代表として、両さんが出場。缶蹴りは、見つけた者の名を呼ぶ必要があるが、難しい名前や全員同じような容貌を持つ他国の選手軍団を相手に大苦戦してしまい……。
「“超記憶術”でメダリスト!?の巻」(ジャンプ・コミックス120巻収録)
上善(じょうぜん)水の如(ごと)し!
飲酒運転問題に取り組むため、署を挙げて一ヶ月間禁酒を実施することに。飲兵衛の両さんは地獄の苦しみを味わうが、やがてアルコールが身体からすっかり抜けると、酒に対する感覚や記憶があやふやに。水を酒と偽って飲まされると、名酒と褒め称えるように。
「飲酒運転は駄目、ゼッタイ!!の巻」(ジャンプ・コミックス155巻収録)
それでは次のページから、誕生日の記憶を捏造する飛びきりの異色作を、充分にお楽しみください!!