佐々木に課せられるローテノルマは?
先に結論から言うと、おそらくドジャースは今季の佐々木に「中5日で1年間、フルでローテを守ってほしい」とは考えていない。現在23歳の佐々木は、MLBでいえばまだ「プロスペクト=有望株」に該当する。規定投球回である年間162イニング~200イニング弱を投げることが求められる「ローテの中心」という立ち位置ではない。
ここで参考にしたいのが、昨季MLBで新人王を獲得したピッツバーグ・パイレーツのポール・スキーンズだ。スキーンズは2002年生まれで佐々木の1学年下にあたるが、平均98.8マイル(約159キロ)の剛速球を武器に11勝3敗、防御率1.96を記録。投球のクオリティ自体はすでにMLBトップレベルと言われる「怪物」だ。
そんなスキーンズでも昨季は5月のメジャー昇格後、23試合に先発して投球イニングは133回に抑えられた。マイナーでの投球を加算しても、年間イニング数は160回1/3。シーズン中は中5日で回りながら、好投しても5~6回で降板するケースがほとんどだった。
おそらく佐々木も、今季はスキーンズと同様、年間130~160回未満をベースに、体への負担を考慮されながら起用されるだろう。これは別に佐々木を「特別扱い」しているわけではなく、MLBではたとえ有能な投手であっても、ルーキーイヤーは投球イニングに制限をかけることが一般的だからだ。
5月以降はたとえばリハビリ明けの大谷や36歳のベテラン、カーショウとイニングを「シェア」するようなイメージで、ローテを飛ばす、間隔を空けるといった起用法も考えられる。
1年目は「規定投球回」に達しなかったとしても、あくまでも計画通り。MLB流の起用法だと考えていい。そのうえで、佐々木に求められるのが投球のクオリティだ。制限された投球イニングの中で、どれだけのインパクトを当て与えられるかが、1年目のカギを握るだろう。