「迷惑行為でどんどん撮れる場所が消えてしまう」
恵比寿ガーデンプレイスはバブル崩壊直後の1994年に開業した、商業施設や集合住宅、オフィス棟なども含む複合施設だ。
その恵比寿ガーデンプレイスタワーのレストランエリアにあたる38階には、無料展望スペースの「SKY LOUNGE」が設けられており、誰もが出入りできることから穴場夜景スポットとして人気だった。
そんな場所に関して、1月30日に「また1つ、東京で最も有名な撮影スポットが消えました」とXに投稿し注目されたのは、都市風景撮影を中心に活動するフォトグラファーのNitto氏だ。
それによれば、以前までなかった「個人のポートレートなどを含む“無許可商用撮影”の禁止」などの貼り紙が掲示されたとのこと。
「僕も含め、個人で撮影を行なっていた人の影響も否定はできませんが、直近の例で言えば昨年12月頃、特定の集団がかなりの大人数で長時間同じ場所を占拠し、撮影を行なっていたのも事実です」と吐露した。
Nitto氏に、その日はいったいどんな日だったのかを聞いたところ「当日、私自身が行ったわけではないですが、東京タワーの背後に満月が昇ってくる日だったようで、東京タワーの後ろに月を配置した写真を撮影していたようです。
これまでも東京タワーをはじめ東京都心のビル群の広がりが美しく見られる場所として、主に夜景を撮影する方が多かった場所でした」とのこと。
Nitto氏自身は公共の場所では写真を“撮らせてもらっている”ことを忘れず、迷惑をかけないように心がけているという。
「今回は都会のど真ん中でしたが、動物写真や自然風景写真においてもSNS映えを優先するあまり、撮影地や被写体に対するリスペクトに欠けた行動を行なうフォトグラファーが増えた結果、富士山の撮影スポットが閉鎖されたこともありました。
北海道ではオーバーツーリズムなど他の問題もからみますが、白樺並木が伐採されたりした事例があります。フォトグラファーによる迷惑行為でどんどん撮れる場所が消えてしまうのは本当に悲しいことです」