一瞬で話題になるも炎上、その先で見つけた感謝の心
恵中さんといえば、避けて通れないのが、「たった数秒のテレビ出演での大バズリ…からの炎上」騒動だ。本人がこう振り返る。
「CDデビューしてほどなく、お仕事仲間と一緒にTBSの『サンデー・ジャポン』さんの街頭インタビューを受けたんです。私の映像が流れたのは6秒ほどだったのですが、それが、SNS上で大炎上したんですね。
『バケモノ』『気持ち悪い』『ブス』とか…。すっかり人に会うことが怖くなってしまって。声が出なくなってしまったり、ライブで舞台に立つことができなくなっていました」
そんな恵中さんを支えてくれたのが、南雲社長だった。
「『俺も一緒に舞台に立つから。なんなら俺が歌うから』なんて言ってくださって。社長はお話がおもしろくて、司会もお上手なので、本当に心強くてありがたかったです。
社長のトーク目当てでライブに来てくださるお客さんもいますしね。
あの炎上を、今ではこうして笑って話せるようになったのも、支え続けてくれた南雲社長とファンの皆さんのおかげです」
テレビ、そしてSNSの影響に悩まされたこともある恵中さんだが、最近ではむしろ、こんな恩恵も受けているという。
「本当にありがたいことに、人気ホラー作家の岩井志麻子先生が、私のことをファンだと公言してくださっているんです。
先生が出演されているバラエティ番組や、インタビュー記事などで私のことをよく話してくださってるので、お仕事も増えましたし、炎上ではない方向で話題になってくれているんですね。
知り合いやファンの方々が『また岩井先生が番組でひとみんのことを話していたね』とか『ネットで話題になってたね』と教えてくれたり…。こんないい形でメディアで取り上げてもらえるようになるなんて。とても嬉しいです。
おまけに岩井先生は、大手事務所に所属している有名人なのに、『ひとみんナイト』という私のイベントで、毎回特別審査員長をしてくださっているほど気にかけてくださっています。南雲社長と同じくらいの恩人なんです」
実際、岩井さんも恵中さんについて、ひとみんナイトの総評で「知りたいことが多すぎる。いつでも見入ってしまうし、ひとみんについて語りだすと止まらない。まさに究極のアイドル」と語っており、恵中さんへの『推し』度がうかがえるというものだろう。
歌手として10年目を迎えた恵中さんに、今後の目標をうかがった。
「現在は110曲持ち歌があるのですが、もっと曲の幅を広げていきたいねと社長と話しています。ということで、現在K-POP調の曲、全部英語の歌詞の曲なども作っていただいています。
ダンスが大変になりそうですが、がんばります(笑)。
あとは、海外でもヒットしたいですね。新曲が、フィリピンやブラジルのiTunesのJ-Pop部門音楽チャートに瞬間的に1位になったことがあるのですが、それが継続してくれると嬉しいです。
最終的には紅白出場を目指したいです! というのもそうですが(笑)、まずはお世話になった方々に、恩返しをしたいです。
南雲堂の社屋を建て直したい。雨漏りしているそうなので、社長の実家の屋根を直してあげたい。
そのためには、もっともっと人気者にならないと。みなさん、応援よろしくお願いいたします!」
みんなの幸せが、自分の幸せ。そんな姿勢こそが、恵中瞳が究極のアイドルたるゆえんなのかもしれない。
【プロフィール】
恵中瞳 えなか・ひとみ 1988年10月16日生まれ、宮城県出身。歌手、モデル。2013年にモデルとしてデビュー。現在の事務所である南雲堂に移籍後、2015年に『おとこはアリャリャ』でCDデビュー。ライブや動画配信番組などで活躍中。Xアカウント: @t75147828
撮影協力:池袋東口ゲキパ
取材・文/木原みぎわ