刺身などのナマ物は出ない

韓国の公捜庁によって内乱容疑などで1月19日に正式に逮捕された尹錫悦(ユンソンニョル)大統領。

拘置所では餃子スープや牛肉スープ、豚肉丼、イワシの煮物、トッポッキ、中華麺、キムチ鍋、鶏肉スープ、キムチスープ、豆腐スープ、ワカメスープ、カレーライスなどなどの食事が提供されたという。

キムチ鍋(写真はイメージです)
キムチ鍋(写真はイメージです)

国際捜査課時代に韓国警察と合同の出張捜査なども担当してきた小川氏は、「1食180円」という報道を率直にどう感じたのだろうか?

「個人的には本当かなと疑問に思います。近年の韓国の物価を考えても、その予算では普通に1食を用意できないでしょう。偶然、そんな食事が1回くらい出た可能性もありますが、少なくともそうした食事が常に提供されているとは思えないし、予算感は日本と大きな差はないと思います」

スープ系が多く韓国の食文化が反映されたメニューになっているようだが、やはり日本の留置場で提供される食事にも“お国柄”はあるようだ。

「凝った中華や洋食といったメニューは出ないです。ただ、和食でも刺身などのナマ物は出ません。留置人を入院させる際は24時間体制で警官が付き添う必要があり、万が一、食中毒で集団入院となると対応が大変なので。衛生面は徹底されています」

宗教上、食べられない食材などがある留置人も現在はマニュアルがあり、本人の意向に沿って特別な食事を用意する配慮もあるそうだ。

「単に“ベジタリアンだから野菜だけにしてくれ”といった意向は通りませんが、宗教上の理由などがある場合はすぐ対応します。近年は外国人の留置人も多く、“どうしても豚肉が食べられない”といった場合なども、それぞれの事情を踏まえて対応することがあるそうです。食事に全く手をつけない留置人は、“特異被留置者”として動静を注意深くみていくことになります」