日本の“1人ディズニー”当事者の思いは…

そこで取材班は1月の平日に舞浜駅へと向かい、周辺で東京ディズニーリゾートを訪れる“おひとり様”に話を聞いた。 

ディズニーリゾートラインのディズニーシー最寄り駅から降りたところに佇む、ミッキーマウスの像(撮影/集英社オンライン編集部)
ディズニーリゾートラインのディズニーシー最寄り駅から降りたところに佇む、ミッキーマウスの像(撮影/集英社オンライン編集部)

「友人が後から来るので僕だけ先に来ました。以前にも、自分は先に1人で楽しんで、アフター5からくる友人たちと園内で合流したことがありましたね。けっこう楽しいし、そんなに迫害しなくても……」(20代男性・会社員)

「昔は年パス(年間パスポート・2020年に廃止)を買っていて、仕事帰りに来たり、午前に半休を取ってディズニーに行ってから出社をしたこともありますよ(笑)。たしかに男性だと1人は肩身が狭そう。でも、別にそんなの自由ですよね」(30代女性・会社員)

別の女性客に、前述したRedditでのエピソードを伝えてみたところ、バツの悪い表情を浮かべながら次のように語った。

「ディズニーファンにとって“1人ディズニー”は珍しくないけど、一般の人からしたら未だに偏見はありますからね。しかもアメリカでしょ? アメリカは食事にしろ外出にしろ、基本的にみんなで娯楽を楽しむ文化のイメージがあるので、余計に“1人ディズニー”が異端に見えたんじゃないかな」(40代女性・自営業)

その後、舞浜駅近くの商業施設・イクスピアリ付近でも“おひとり様”を探したところ、かつて年パスを購入していたという30代男性の澤出さん(仮名)に遭遇。

澤出さんは、東京ディズニーランドが開業35周年イベントをしていた2018~19年頃、年パスを利用して頻繁に1人ディズニーを楽しんでいたそう。今でも年に1回ほど、1人で訪れるという。

ミッキーマウスと2ショットを撮る澤出さん(仮)。場所はイクスピアリ内のレストランだという(本人提供)
ミッキーマウスと2ショットを撮る澤出さん(仮)。場所はイクスピアリ内のレストランだという(本人提供)

「年パスを持っていたのは、ちょうど当時の職場を辞めるときだったんですが、退職が決まったら業務を干されてしまって(笑)。出勤しても13時には帰らされていたので、その足で1人ディズニーに行ってました。

1人での楽しみ方といえば、小さな装飾とか、園内BGMの切れ目を探したりなど、細部を観察することですかね。

ときどき一緒に行く友人の中には1日で乗り物を全制覇したがる人が多くて、一緒に行くとゆっくり見られないんですよ。1人だと、誰にも気兼ねなく寄り道とかできるのがメリットです」(澤出さん〈仮名〉、以下同)