ギャルマインドが求められる理由
実際に効果のほどはいかほどか…。
約3時間の会議を終え、参加者に感想を聞いた。
入庁4年目の高木恭成さん(30)は、
「ギャルって未知なので、最初は戸惑いもありました。でも自分の意見を肯定的に受け入れてもらえる安心感から、現実的ではない意見だったとしても積極的に発信できました」
と笑顔。また他の参加者からも
「距離が近くなれた」「自分がまず楽しむことが大事なんだなって思いました」「否定されないのが心地よかった」「リアクションって大事だなって気付けた」などの声があがった。
ルーズソックスやガングロなど、さまざまなファッションカルチャーを生み出した平成ギャル。そして令和となった現在、ギャルマインドが求められている理由とは一体なんなのか。
「企業の中には、成長のために積み重ねたノウハウがあるため、新しいことを検討するのに大きなバイアスとなってしまったり、今までの延長でのアイデアばかりになってしまうケースがあります。
以前知人から『昔はアイデアが先行し、技術が追いつかなかった。でも今は、技術が進歩し、アイデアが不足している』という話を聞きました。どうしたらこれまでにないようなアイデアが生まれるようになるか。それは上司部下の関係性、実現可能性を超えて、自分の『アゲ=いいね!』をシェアハピできる、そんな文化をつくることによって実現できるのではないでしょうか。そんな社会文化をギャルマインドは作っていけると確信しています」(バブリーさん、以下同)
独自のアイデアを生み出すことができる環境づくりに、ギャルマインドは一役を担っていると語るバブリーさん。今後の展望について聞いてみると、
「当初は社会のマジョリティに中指を立て続けることを正としていたプロジェクトでした。しかし、普段は関わることのないギャルと企業の方々が一緒になって、楽しそうにディスカッションする景色を幾度となく見てきて、それはまさに『共創』だなと感じました。
分断ではなく共創を、価値を否定し合うのではなく、どうしたら違いを面白がれるか。ギャル式ブレスト®を通して、世の中の違いをもっとアゲに変換していけたらいいなと思っています」
取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部