ジェロニモの不甲斐なさが目立つほど汚点は際立つ
伸び悩むこの若手超人の存在こそ、サンシャインの人生について回る、逃れられない呪縛だった。ジェロニモは超人転生後、重要な局面で全く実績を残せていなかった。彼がもっと弱かったはずの人間時代に完敗しているサンシャインとしては、立つ瀬がない。ジェロニモの不甲斐なさが目立つほど、サンシャインの汚点は際立ってしまうのだ。
「完璧・無量大数軍(パーフェクト・ラージナンバーズ)の第一陣が襲来した際、若手のジェロニモは真っ先に飛び出していくのですが、ストロング・ザ・武道の正拳突きで〝瞬殺〟された挙句、ダルメシマン、ターボメン、クラッシュマンの3人にも〝残酷ショー〟の如く弄ばれます。超人の回復力でなんとか戦線に戻ろうとしましたが、ネメシスら完璧・無量大数軍第二陣が地上に降り立つと、彼らの自己紹介を兼ねた連続攻撃を受け、またしても再び病院送りに。
とにかく相手が悪かったといえばそれまでですが、いつまでたっても正義超人軍の二軍感は拭えませんでした」(同前)
他方、悪魔将軍率いる悪魔超人軍本隊と超人閻魔ことザ・マン陣営の師弟全面戦争で戦線に復帰したサンシャインは、ニューヨークで完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)の1人シングマンと対峙。敗北寸前でシングマンを欺き、悪魔らしい逆転勝利を演じた。涙も交え、シングマンの情に訴えた欺瞞の弁舌には、切実な本音らしき心情も見え隠れする。
「オレは以前超人でありながら…、人間に負けてしまうという大失態を犯してしまったことまであったのだ~~っ。あの時にオレは誓ったはずなのだ…、もう生き恥は晒さねえと~~っ」
武士の情けを見せたシングマンを出し抜いて、狡猾に勝ちをもぎ取ったサンシャインは、こうも主張した。
「人間に負けたことは確かだ! しかしいつまでも記憶してちゃあ、悪魔超人は務まらねえ。〝都合の悪いことは忘れよ!〟。悪魔超人には記憶の欠如が必要なんだよ」