妹尾の発言自体が「マナー違反」とも指摘
ジップ付きのパーカーに関しては、「上まで閉めたほうがカジュアルな印象は緩和される」としながらも、「ジップを開けてもネクタイをしていると、一見ジャケットにも見えますよね」とも提案していた。
また、記者が季節に絡めてウォームビズの観点から質問すると、マウンテンパーカーなどは首元が覆われるため、保温効果があると解説。これにより暖房の設定温度を下げることにつながるため、高騰する光熱費の節約や環境への配慮など、メリットも期待できるそうだ。
こうして専門的な見地から解説を続けていった江頭講師。その後には、妹尾の発言そのものが“マナー違反”との指摘も…。
「マナーで一番してはいけないことは、年齢や見た目など、自分で努力しても変えられないものを揶揄することなんです。妹尾さんが最初におっしゃった部分を取り上げると、やっぱり“おじさん”に特化してらっしゃっるので、そこが問題だと思います。
いまの多様化の時代では、いろんなタイプの方をちゃんと包摂し、『ダイバーシティ&インクルージョン』で手を繋ぎ合って、より良い社会・企業にしようという流れが世の中全体にあるんですよ。そのなかで、おじさんをイジるっていうのは、なんかもう全く面白くないなって。
反論されている方々も、パーカーについてだけでなく、世代間の分断で笑いを取ったり、おじさんの人格について言っていることを問題にしているのだと思います」
この「多様性」だが、江頭講師は最後までキーワードにしていた。
「いま、時代の流れとしてはやっぱり“多様化”で、『自分がどういうファッションをしていくのがいいのか』と個々が考えていくことが大事なんです。『商談だからスーツでないといけない』という考えは、本当に一昔前の考え方です。
企業でも『多様性』がただの言葉だけだったりしますが、企業が発展していく上で、これまでの単一的な考え方にこだわっていたら、もう絶対発展しないんですよ。
いまからでは対応が遅いくらいですが、いろんなファッションを受け入れられる土壌がしっかりできてくるといいなと思います。結局、いまは過渡期なんですよね」
“多様性”を目の敵にする人もいるが、そうした“おじさん”こそ、多様性によって尊重されるのだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班