ブルマーの着用は男性が強制させたこと?
2000年頃まで、日本の小・中学校の体育の時間などで女性用の体操着として着用されていたのは“密着型ブルマー”。1990年代頃から、ハーフパンツに切り替える学校が増え始め、2000年にはほぼすべての学校で廃止されたとされている。
そのため、今の若い世代には馴染みがないだろうが、今の30歳以上にとってはよく知られている。30代はちょうど、自分が学校に通っている頃に、ブルマーからハーフパンツに切り替わる経験をした世代で、40代以上となると、多くの人が卒業するまでブルマーの着用を義務付けられていたはずだ。
ブルマーには苦々しい思いを持つ女性は多い。まず、密着型ブルマーは機能性に優れている反面、非常に丈が短く、脚の大部分が露出してしまう。ほぼ下着と同じようなシルエットのため、ブルマーから下着がはみ出さないように気を付けていた人も多いのだ。
SNSを見ても、女性たちが苦々しく当時の思い出を語っている。そんな中で11月中頃、ブルマーの起源をめぐってSNSでバトルが繰り広げられた。
とあるユーザーは、ブルマーは当時の男性たちが女性たちに強制的に着用させたものだと主張し、別のユーザーは、ブルマーの起源は女性解放運動家のエリザベス・スミス・ミラーが発案したことから、女性が自ら着用したものだと主張する。
さらに、日本で体操着として使用されていた密着型ブルマーを普及させたのは、中学校体育連盟(中体連)であり、記録が残っている限りでは昭和〜平成初期の中体連の理事長・会長は全て男性であることから、やはり日本においては、男性が女性に着用を強制したのだと反論があがる。
こうしてSNSではブルマー論争が巻き起こり、激しい主張が激突した。
〈これを決めたジジイどもに履かせて街を歩かせてやりたいよ。喜んで履いてた女性なんて聞いたこと無い〉
〈ブルマ論争、現在進行形の歴史修正だよね。女が女のために普及させた物なのに〉
〈女性はみんな嫌だったって言ってるのに、いつも通りおっさん達がマンスプレイニングしてるの笑えない。だから嫌だって言ってるのに「嫌知らず」すぎる〉
こうした論争を受けて、学校問題などを深く取材するジャーナリストの渋井哲也氏に見解を求めた。
そもそもまず、ブルマーはなぜ学校教育の現場で廃止されてしまったのだろうか。