ADHD(不注意優位型)が疑われるGさん
Gさん(女性30代)は、小学生の子どもと夫との3人暮らしで、現在は事務職の契約社員として働いています。
Gさんの幼少期からの悩みは、片付けが苦手でとにかく捜し物をしている時間が長いこと、そして先延ばしにする癖があることです。
もともと地理が得意で旅行好きなGさんは、大学卒業後は大手の旅行会社に就職しました。
1年目に見習いとしてバスツアーの添乗員などを経験しましたが、失敗の連続でツアー客だけでなく、バス会社や宿泊先からも苦情がくるほどだったそうです。
添乗員は、予定が組まれたツアーをお客様の状況などを見ながらスケジュール通りに実行していく必要があります。
Gさんは旅先の食堂や土産屋などに入るたびに、添乗員用の行程表をどこに置いたか忘れて、何度もバスに確認しに戻っていました。
うっかり集合場所を間違えてアナウンスしてしまい、お客様を混乱させることも度々ありました。
結果的に旅行会社は2年も経たないうちに退職することになり、その後は結婚して派遣社員で事務職などを数社で経験したそうです。
しかし、派遣の事務職の仕事でもPCのフォルダ整理や名刺整理が得意ではなく、また不得意なことや面倒なことは先延ばしにするところがありました。
徐々に仕事に影響が出て、上司から注意を受けることが多くなり、派遣契約の延長をしてもらえなかったこともあったそうです。
Gさんは現在も事務職の契約社員ですが、小学校のPTA役員をするようになってから、家庭と仕事の両立が大変になってきたということでした。
現在の派遣先は比較的ゆっくり仕事をさせてもらえて、上司もいろいろとフォローしてくれる職場のようで、今までよりも落ち着いて仕事ができているようです。
しかし、PTAでは細々とした作業が多く、期日までに各所に連絡し確認しなければならないことを複数抱えると処理しきれません。
それがストレスとなって職場でミスを重ねたり、会議でもPTAのことを考えてぼんやりしたりするようになりました。
このような状態が続き、Gさんをフォローしていた上司からも注意されるようになり、ショックを受けているということでした。