離婚翌日にマッチングアプリ登録、4日後に再婚相手と出会う

離婚後はどのような心境だったのか。

「だいぶ自信を失いましたね。私も仕事が忙しかったときに、彼に威圧的な態度をとってしまったり、彼が相談しづらい環境を作ってしまった部分はあって…。優しい彼を変えてしまったのは私だなと責任を感じていました。あとは元夫の親族にもすごくよくしてもらったので、謝罪もお礼も伝えられずに離れるのが申し訳なかったし、すごく辛くて…。」

ただそんな状態からでも染井さんの前を向く力と行動力はすさまじかった。

2人で役所に離婚届けを出した翌日にマッチングアプリに登録。4日目に出会った3歳年上の男性と3カ月後に交際を開始し、半年後にプロポーズを受けた。35歳の来春、挙式を控えているという。

「自分の気持ちと置かれている状況は別物ですから」

そうサラっと答える染井さん。その言葉の真意を詳しく聞いてみると、

「もちろん離婚はショックだったし、誰かと生活を続けることに自信をなくして『私は誰も幸せにできない』って思ってたけど、その気持ちに従って出る行動は絶対ネガティブなので、それは間違っているなと冷静に考えればわかります。『こうありたいな』と自分の姿を考えたとき、次のステップは『出会うこと』だと思ったので、それに従ったまでです。ここで歩みを止めたら一生止まってしまいそうな気がしたので」

それにしてもなんとも怒涛の展開だが、染井さんが再婚へと力強く進むに至ったその原動力とはなんだったのか。

「『誰かを大事にしたい、大事にされたい』『いろんなことを分かち合いたい』っていう想いを諦めたくないと思いました。子どもが欲しいとか、結婚したいって、まだずっと先にある家族の形だと思うので、まずは気持ちの面で純粋に『もう一度誰かを大切にしたい』って思いました」

30歳目前で一度目の結婚を経験し、35歳で二度目の結婚を控える染井さん。30歳と35歳の違いや、二度目の結婚に対しての思いを聞いた。

「職業もののドラマとか見ていても30代って仕事も私生活も波にのっていて、かっこよくて頼りがいのある女性ってイメージがあった分、30歳のときは『何者かになりたい』って思いが強かったし、自分が持っていないものばかりに目が向いていました。人の目も気にしてたし、誰かが私を見て『順調』とか『立派』って思っていてほしいみたいな。

でも35歳の今は、自分が持っているものに目が向いていて、自分の基準で幸せになれそうな方向に歩みを進めていければいいかなって。今の彼とは一緒に過ごす時間をもっと大切にしながら、一つ一つ生活を積み重ねていきたいなと思っています」

取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部

来春、再婚相手との挙式を控える染井さん
来春、再婚相手との挙式を控える染井さん