債権者破産で経営責任がどこまで追求されるか

しかしながら、エクシアはグレーな行為を行っていた痕跡もある。

合同会社はFXなどに投資をする場合、国内有価証券投資事業に該当するため、500名以上を募集する場合は有価証券届出書の提出が必要なのだが、エクシアは届出書を提出していない。

エクシアは9000人から出資を受けていたため、提出義務違反となる可能性もある。

ただし、それに抵触したからといって、厳しい罰則を受けるかといえばそうでもないだろう。

エクシアのスキームは実に巧妙に構築されているのだ。

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今回の破産においても、SNSの配信にて債権者破産でラッキーだったと菊地氏は開き直っている。

さらに視聴者の「破産したらどうなるのですか?」という問いに対しても、「出資者のお金は全部なくなるね」と平然と答えている。

確かに、エクシアの破産は債権者破産だった。

債権者破産とは、債務者ではなく債権者が破産の申し立てを行うものだ。これには、破産するにあたって裁判所に支払う予納金が必要。被害弁護団は出資者に説明会を開き、1000万円を用意したという。

菊地氏は自分が費用を出さずに破産できたことをSNSで喜んでいたが、債権者には予納金というプラスアルファの資金が必要になったのだ。

しかし、喜んでいられるのも今のうちかもしれない。

債権者破産をした場合、資産が外部に流出、秘匿されていないか破産管財人が調査するなど経営実態が調査される。また、経営者は破綻の原因や経営責任が追及されるのだ。

今後、同様の被害を出さないためにも、真相解明を行う必要があるのは間違いない。菊地氏がどこまで調査に協力するのか注目される。

取材・文/不破聡 写真/Shutterstock