なぜ豆腐を食べるのか?

しかし、どこで出所祝いをやろうと、そこで必ずといっていいほど出てくるモノがある。「豆腐だ。親分の所に行くと必ず豆腐が出され、その角を取って食べるという習わしがある」と組長。

韓国ドラマでは刑務所から出所したら豆腐を食べさせるというシーンがお約束のようにあるが、これと同じことが日本の暴力団でも行なわれているという。

「なぜ豆腐の角を取るのか、当たり前のようにやっていることなので真相はよくわからない。おそらく角をとって人間が丸くなるように、ということだろう。豆腐を用意するのは諸説あるが、豆腐のように白い心になるように、豆腐は豆から作られるが、豆には戻れないので、二度と刑務所に戻らないようにという願いが込められているらしい」

(写真はイメージ)
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前出の幹部の所でも、親分が必ず、出所してきた子分に豆腐を用意しているという。

「結構あちこちの組でやっていると思う。ヤクザはゲン担ぎが好きだから。出所した者もあれが食べたい、これが食べたいはあるだろうが、先に口に入れるものがそれとは限らない」

出所メシが豆腐だったヤクザは案外、多いのかもしれない。だが、その大半は豆腐を食べた甲斐もなく、再び刑務所に逆戻りするという。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班