子どもは7時間睡眠でも足りない
図2からも分かるように、10代やそれ以下の子どもでは7時間睡眠でもまだ睡眠時間が足りていない状態である。
6~13歳であれば9~11時間、14~17歳であれば8~10時間の睡眠時間が必要とされている。
若者がいつも眠そうにしているのは決して怠惰なわけではなく、生物学的に大人よりも長時間の睡眠時間を必要としているからなのである。
このエビデンスを考慮して、学校の始業時間を遅らせようという動きが色々なところで始まっている。
実際にアメリカのワシントン州シアトルで行われた研究[*1]では、高校の始業時間を約1時間遅らせることで、生徒の睡眠時間が34分増え、成績が平均で4.5%向上した。
それでは日本人の睡眠時間は足りているのだろうか?
図3を見てほしい。これは縦軸に平均睡眠時間、横軸に所得水準(人口1人あたりのGDP)を示した図である。
これを見れば、日本が世界で最も睡眠時間が短い国の1つであることが分かる。
日本人が6時間ちょっとしか眠っていないのには、前述の「睡眠時間6時間神話」が関係しているのかもしれない。