「虚偽記載」指摘を恣意的に外し…

「西村さんが修正前の報告書でやっていたやり方、還付分なのか中抜き分なのか知りませんが(中略)、ノルマを超えた分を自分の政治資金パーティの収入に上乗せして、そして計上しているので、たしかに裏金にはなっていない。西村さんの分については裏金にはなっていない。(でも、それは)虚偽記載であるということなんです」

この発言部分のミソは「虚偽記載」という言葉だ。

政治資金規正法は会計帳簿の虚偽記載で3年以下の懲役または罰金50万円以下、政治資金監査報告書の虚偽記載でも罰金30万円以下と定めている。つまり枝野氏は、西村氏は立派な刑法違反を犯していると指摘しているのだ。

身の潔白をアピールする西村氏(撮影/集英社オンライン)
身の潔白をアピールする西村氏(撮影/集英社オンライン)

 なのに、西村氏は「虚偽記載」というキーワードを外し、潔白アピールに都合のいい部分だけを有権者に聞かせているというわけだ。

比例復活なしの背水の陣で臨む選挙とはいえ、ずいぶんと“策士”である

この枝野発言切り取りの一件を西村氏本人はどう考えるのか?
10月20日、明石市のJR大久保駅北口で街宣中の西村氏を直撃してみた。

ちなみにこの日も西村氏は演説の冒頭で「今日はスピーカーから流すことはしませんが」と断ったうえで枝野発言を紹介、「一切、裏金などやっておりません」と自己の無実アピールに余念がなかった。

しかも、「(収支報告書の)書き方が間違った」、「誤記載だった」という新たな自己弁護ワードまでも追加する始末だった。