芸能事務所の間でも認知されている

「手足を触りながら指示をするカメラマンは確かにいますね。写真集の撮影は期間も長いので、そのカメラマンがうちのタレントを担当しないよう、編集者さんにお願いすることもありますよ」(40代・女性マネージャー)

また別のマネージャーは、

「気にしない子もいるのですが、特にグラビア経験が少ない子は急に触られることで驚いてしまい、グラビアの撮影を怖がってしまうケースもありました。撮影の前後で“あれはポーズの指示だから”とフォローするようにしていますが…」(30代・男性マネージャー)

ちなみに同業者であるグラビアカメラマンはどう思うのだろうか。このような証言が出ていることをたずねると、以下の答えが。

「人の現場を見ることがないので、まずこの話を聞いてビックリしました。自分の中では気をつける以前の問題。タレントだからではなく、断り無しに他人の体に触わることはありません。噂になっているカメラマンにも悪意がないことを信じたいです。もしかしたら他人のパーソナルスペースとの距離の取り方が下手なのかもですね」(40代・男性カメラマン)

男性カメラマンが指摘したように、パーソナルスペースの距離の取り方の問題はありそうだ。

最後に、先日グラビアアイドルとしての仕事を引退することを発表した菜乃花さんにも話を聞いた。 

菜乃花さん 写真/本人提供
菜乃花さん 写真/本人提供

「まず先に伝えておきたいのは、私はカメラマンに性的な目的で触られたことはありませんし、むしろグラビアの現場ではスタッフさんたちに優しくしていただいた記憶しかありません。グラビアの現場は怖くないよと後輩に伝えたいです。

ただ、写真を撮ることに夢中になって、手をこの角度にしてほしいといった指示を、直接カメラマンさんの手で受けることがあるのは事実です。

カメラマンさんもいい写真が撮りたいと必死なんですよね。それは、そのカメラマンの撮影スタイルだと女の子や、スタッフ全員が了承していれば問題ないのではないでしょうか?

事前に“撮影中に手をとって指示してしまうかも”と伝えたり、あるいはまだグラビア慣れしてない子が被写体の場合は、マネージャーさんなどスタッフが事前に“まだ慣れてない子だから、口頭で指示してほしい”と伝えておくと怖い思いをする人がいなくっていいのかなと思います」(菜乃花さん)

一部のカメラマンが悪意なく、指示のために行なっている行為だとしても、個人のパーソナルスペースの概念は一律ではない。

満員電車で体が触れ合うことも耐えられない人がいることは事実、ましてや肌を露出して仕事をする撮影現場で突然触られてしまうことに、恐怖心を抱いている人がいるのは当然だろう。

菜乃花さんが指摘したように、グラビアアイドルが安心して仕事ができるように、事前にコンセンサスを取って撮影が行なわれることを願うばかりだ。

 取材・文/集英社オンラインニュース班