演説では専門用語や難しい言葉は使用せず
①声質の聞き取りやすさ
当日は進次郎氏以外の自民党の国会議員や地方議員なども演説したのだが、進次郎氏の声は他の議員よりも確実に聞き取りやすかった。それは、司会を務めた俳優出身の三原じゅん子議員と比べても遜色ないほどであった。ほぼ全員が現職議員のため(菅義偉元総理など一部の例外を除けば)誰もが滑舌はよく、音響設備などの条件は同じ。
これらを踏まえると、進次郎氏の生まれ持った声質そのものが聴衆にとって聞き心地がよいのだという結論に筆者は至った。同じように演説で人気を博した父親の小泉純一郎元総理から受け継いだ才能だろうか。
②聴衆が理解できない言葉は使わない
当日、筆者が撮影した360度カメラの映像を確認してわかったことだが、聴衆には10〜20代の若者の姿も大勢集まったつものの、途中で退屈する様子は一切見られなかった。それは、演説中に専門用語や多くの人が知らない難しい言葉は一言も出てこず、話の内容を最後までしっかりと理解できたからだろう。現に、約12分の演説内容を筆者が改めて確認したところ、中学生以上であれば確実に理解できる言葉しか使われていなかった。
聞き手の理解力に大きなバラツキがある街頭演説会では、他党の政治家もこうした配慮を見習うべきではないだろうか。
③小難しい話はしない
加えて、単語自体は簡単であっても背景知識がないと理解できない話(政策の具体的な進め方や背景など)もゼロだった。要は、「〇〇を実現します!」という威勢のいい発言を連発する一方で、どのようにしてその〇〇を実現するのか、なぜ〇〇が今まで実現できなかったという小難しい話には基本的に触れないのだ。
これは、演説内容の中身が実は薄いことの裏返しでもある。